カイロプラクティック(chiropractic)は、ギリシャ語のカイロ(cheir)=手とプラクティコス(prakticos)=技術の合成語であり、徒手療法や手技療法と訳されます。
徒手療法は非常に古くからある治療法で、紀元前の古代エジプトで行われていました。古代ギリシャを経てヒポクラテス(医学の父と呼ばれる)によって研究され、その後、ガレン(ギリシャの医師)が研究しましたが、発展するに至らず、ヨーロッパでは家庭療法的に伝承されていました。やがて、ヨーロッパからアメリカ大陸に渡り、オステオパシーやカイロプラクティックとなり発展していきました。
カイロプラクティックの創始者、ダニエル・デビット・パーマーはアメリカ・アイオワ州で磁器療法を行いながら、ヴェサリウスの解剖学や手掌療法、オステオパシーなど、日々研究をしていたようです。
そして「病気の真の原因」について深く考えるようになりました。
長きに渡り、考察や研究を続け「病気は椎骨の変異によって、神経が圧迫されているために起こってくる」という結論に至ります。
この臨床より導き出した仮説から「その変位椎骨をもとの正常な位置に戻し、正常な脊柱の状態にするための方法」も研究し続けます。
そんな時にある事件が起こりました。
-----------彼のオフィスで働いていた、ハービー・リラード氏は難聴で耳が聞こえなくなっていましたが、その経過をこのように話しました。
「仕事で重荷を担ごうとした時、突然、背部に異常な音を感じ、それ以来聴力が低下し、遂には難聴になった」と。
D.D.パーマーはリラード氏の背中を検査すると、脊柱に隆起を見つけ、これが難聴と関連があるのではないかと考えました。リラード氏の了解を得て、脊柱を正常に戻す施術をしたところ、次第に聴力が回復していきました。
この劇的な出来事は、D.D.パーマーの仮説の証明であり、彼により一層研究を深めていく後押しをしました。
この事実を科学化し、矯正の技術の開発に努め、カイロプラクティックが発展していきました。
そして、現在もカイロプラクティックは研究と発展を続けています。