白菜は冬の代表的な野菜。
鍋や漬物、キムチなどに使われ、クセがなく食べやすい食材です。
そんな白菜の事、調べてみました。
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アブラナ科アブラナ属
旬 10月~2月
■原産地
中国北部。
カブとツケナ(小松菜、水菜など)が交雑してできたもので
現在の白菜の形になったのは11世紀頃。
日本へ伝わったのは明治初期で、清国政府から贈られた種を
名古屋で栽培したのが始まりと言われています。
はじめは、結球させるのが難しく苦労したようです。
広く栽培が行われるようになったのは、日清・日露戦争後。
日本の兵士が中国で白菜を食べ、その味に驚いたのが広まるきっかけとなったようです。
■成分と効能
・ビタミンA
ビタミンAは脂質と一緒に小腸で胆汁酸にミセルという油の粒に変換され
小腸繊毛から吸収される。
その後、小腸上皮細胞内でエステル化され
カイロミクロン(脂肪を運搬する脂肪とタンパク質の複合体)に取り込まれ
リンパ管から肝臓へ送られる。
肝臓でレチノールエステルとして貯蔵されるが
末梢で必要な場合にレチノールに加水分解され
肝臓で合成されるレチノール結合蛋白質(retinol-binding protein)と結合し
標的の臓器に運ばれる。
①皮膚・粘膜の強化
皮膚は病原体や紫外線などから生体を守る最初の防御壁である。
皮膚は表皮と真皮からなり、皮膚表皮のバリア機能は2通りある。
角層バリア機能とタイトジャンクションバリア機能である。
角層バリア機能とは、ケラチノサイト(表皮角化細胞)が角化(分化)していく
過程で作られるバリア機能である。
表皮の一番下層では、ケラチノサイトが基底層で約2週間に一度細胞分裂し
1個は基底層に残り、もう1個はケラチンというタンパク質を形成しながら
有棘細胞→顆粒細胞と約4週間かけて一番上層の角質細胞になる。
ここで約2週間、皮膚を守り最終的には垢となって剥がれ落ちる。
顆粒層から角質層にかけては変化が激しく、この時に核や細胞内小器官が消えて
細胞内にケラチンパターンが形成され、生きた細胞から死んだ細胞になる。
この角化のスピードは速くても遅くても、皮膚にトラブルを引き起こす。
角化は複雑でその制御もまた、細かいシステムによってなされている。
ビタミンAはケラチノサイトの核内にある受容体に結合して、角化を抑制している。
タイトジャンクションバリア機能とは、ランゲルハンス細胞が顆粒層にあるバリアジャンクションと
連携して、皮膚に侵入してきた異物に対応するという機能である。
アトピー性皮膚炎、皮膚アレルギー、食物アレルギー、喘息などの予防や治療も可能になると
期待されている研究である。
粘膜上皮細胞は粘液で被われていて、病原体が侵入すると粘液はこれを洗い流し防御している。
粘膜や粘液の成分であるコンドロイチン硫酸はビタミンAがないと生成されない。
粘液中に分泌される分泌型IgA抗体は、侵入しようとする病原体に結合し、侵入を阻止する。
分泌型IgA抗体は、涙、唾液、尿などに多く分泌されている。
②抗酸化作用
ビタミンAの先駆体であるβカロテンは体内で発生する活性酸素を消去する。
活性酸素には種類があり、それぞれに対応する抗酸化物質があり
反応する場所も別である。
βカロテンが消去する活性酸素はヒドロキシルラジカル、一重項酸素である。
一重項酸素は紫外線や放射線を浴びると発生する。
ビタミンCやビタミンEは一重項酸素には効果がない。
抗酸化には抗酸化ビタミンのビタミンC、ビタミンE、βカロテン
抗酸化酵素の亜鉛、鉄、銅、マンガン、セレニウム
抗酸化物質のコエンザイムQ10、フラボノイド、カロテノイド
などが相互に協力しあっているので、偏らないよう摂取するのが望ましい。
③免疫力アップ
腸管免疫
体内における免疫細胞の約50%~70%が腸管に存在する。
これは、腸管内が体の内部であり外部でもあることから
常に病原体の侵入に晒されているという点にある。
口、喉、食道、胃、小腸、大腸は摂取した食物を消化液や酵素で分解し
非自己であるということを消し、体内に吸収されることを許すが
この時に侵入してきた病原体は小腸の管腔面に接しているパイエル板
(リンパ小節でリンパ球が多く存在するところ)で非自己と認識され、攻撃の対象とされる。
パイエル板に存在するM細胞は侵入してきた病原体を捕まえて
下にいるマクロファージや樹状細胞に輸送する。
マクロファージや樹状細胞はこの病原体を貪食、分解し
その抗原の断片をヘルパーT細胞に提示する。
ヘルパーT細胞は、B細胞にIgA抗体を作るよう指令を出す。
活性化されたB細胞はパイエル板を出て腸間膜リンパ節などで増殖する。
増殖したB細胞はリンパに乗って流れ、血液循環し全身を巡る。
最後には、各組織の粘膜や腸管粘膜に戻って粘膜固有層で形質細胞に変化して
IgA抗体を分泌する。
ビタミンAはこのIgA抗体を亢進する。
④視覚の調整
光は角膜、瞳孔、水晶体、硝子体を通過し、眼底にある網膜で受容される。
網膜には光受容に特化した視細胞があり、明暗を認識する桿体細胞と色を感じる錐体細胞である。
桿体細胞には視物質と呼ばれるタンパク質、ロドプシンが含まれている。
ロドプシンはビタミンA(レチナール)とオプシン(タンパク質)が結合してできている。
レチナールが不足すると、鳥目といわれる夜盲症になる。
・ビタミンC
①コラーゲンの合成
タンパク質の1つであるコラーゲンの合成を手助けし、血管、皮膚、粘膜、骨を強化する。
食品に含まれるコラーゲンは、食べてもそのままでは体内でコラーゲンとして吸収されない。
コラーゲンに合成するには、同時にプロシンやリシンを含むタンパク質とビタミンCを
摂取しなければならない。
プロシン・・・動物の皮に含まれている。
リシン・・・牛乳・大豆・蕎麦・レバーに含まれている。
ビタミンC・・・野菜や果物に含まれている。
②免疫力アップ
風邪などを予防する。
免疫力に関与しているのが白血球で顆粒球・単球・リンパ球がある。
その内、顆粒球は好中球・好酸球・好塩基球の3つがある。
好中球・単球・・・主に細菌や異物を排除する。
好酸球・好塩基球・・・アレルギー反応に関与する。
リンパ球・・・ウイルスの排除、免疫反応の主役。
とそれぞれ重要な仕事を担っている。
ビタミンCは好中球の活性化をする。また、好中球が周りの健康な細胞も攻撃しないよう作用する。
③抗酸化作用
癌・動脈硬化・老化を防ぐ。
体内で酸素を利用すると、活性酸素が発生する。
この活性酸素が細胞を酸化させると癌や老化、生活習慣病になる。
ビタミンCは酸化されやすく、細胞が傷つく前に酸化されて、体を守る。
④血行促進
貧血・動脈硬化を防ぐ。
ビタミンCは鉄が腸管から吸収される際、吸収されやすい形に変える。
食物から摂取した鉄の吸収率は10%しかなく、ビタミンCの働きがないとさらに下がる。
コレステロールは細胞膜を形成する重要な脂質の一種。
その中でもLDL(悪玉コレステロール)は細胞にコレステロールを供給するが
増え過ぎると血管壁に入り込んで酸化され、この酸化悪玉コレステロールが溜まると
動脈硬化の原因となることがある。
ビタミンCは抗酸化作用があるので、これを防ぐ。
⑤抗ストレス
ストレスに強くなる。
ストレスを受けると副腎から抗ストレスホルモンが分泌され、身を守ろうとする。
それには2通りある。
・SAM系(sympathetic-adrenal-medullary axis)
大脳辺縁系から視床下部に伝達され、交感神経節及び副腎髄質からノルアドレナリン、アドレナリンが分泌される。
闘争・逃走反応=緊急反応で交感神経優位の防御反応
闘争・逃走反応とは動物が外敵に遭遇する時には、みずからの生命を守るための原始的な自己防衛本能
身を守るために。敵が弱そうであれば闘争し、強そうであれば逃走する。
交感神経緊張が増加し、心拍数が増加し、血圧を上昇し、呼吸を促進し、瞳孔が散瞳する。
・HPA系(hypothalamic-pituitary-adrenal axis)
大脳辺縁系から視床下部伝達され、下垂体を介して副腎皮質からコルチゾールが分泌される。
フリージング(すくみ反応)=受動的ストレス反応(行動抑制反応)
ストレス刺激によりじっと動かなくなり、外部に対して反応しなくなる。
血圧も心拍も低下する。
コルチゾールの作用は血糖値の上昇、脂肪分解促進、抗ストレス作用、抗炎症作用、
免疫抑制作用であり、長期戦に備えての反応とみることができる。
そして、コルチゾールはビタミンCとコレステロールから作られているので
ビタミンCが不足するとこれらの対応が出来なくなる。
・ビタミンK
ビタミンKは天然のものでは2種類ある。
ビタミンK1(フィロキノン)は葉緑体で作られるので、緑黄色野菜、植物油
海藻類に多く含まれる。
ビタミンK2(メナキノン)は微生物や腸内細菌で作られるので、納豆、チーズなどの乳製品
肉類に含まれる。
その他ビタミンK3(メナジオン)は合成型で副作用が強いため、人には使われていない。
家畜の飼料として使用。
①血液凝固
血液が止まるのは「一次止血」と「二次止血」という仕組みによって行われる。
「一次止血」は血管壁が損傷すると、血管が収縮して損傷部分を小さくする。
そして、損傷した血管内皮細胞からVWF(フォン・ウィルランド因子)が分泌され
血小板はVWFと結合して集まり、血栓を作り傷を塞ぐ。
しかしこのままでは不安定なため、「二次止血」が起こる。
「二次止血」は「一次止血」で出来た血小板をフィブリンの網で被い固めて
フィブリン血栓を作り、止血する。
この「二次止血」は多くの因子が関わり、段階を経てなされる。
血液凝固の二次止血には12種類の凝固因子(タンパク質)と、カルシウムイオンと
リン脂質(血小板膜)が関与している。
12種類の血液凝固因子のうち、Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ(2,7,9,10)の4つはグルタミン酸残基を
含み、ビタミンKによりGla化され、生理活性するようになる。
Gla(γ―カルボキシグルタミン酸)は血液凝固の促進と抑制に関与する。
グルタミン酸残基(Glu:アミノ酸の一種)はγ-カルボキシラーゼ(酵素)に
カルボキシル化され、γ-カルボキシグルタミン酸(Gla)を合成する。
ビタミンKはこの反応の補酵素として働く。
血液凝固因子はお互いに関わっていくことで、血液凝固は進んでいくが
この過程を「血液凝固カスケード」という。
これには、内因性経路(血管内の損傷で始まる)と
外因性経路(破壊された組織から接触されることで始まる)がある。
内因性経路は血管内皮細胞下のコラーゲンに接触すると、第Ⅻ因子を活性化し
第Ⅻ因子が第Ⅺ因子を活性化し、活性化第Ⅺ因子は血小板膜のリン脂質とカルシウムイオンと
結合して、複合体を作り第Ⅹ因子を活性化する。
活性化された第Ⅹ因子はビタミンKによって活性化されたプロトロンビンをトロンビンにする。
トロンビンはフィブリノゲンに作用してフィブリンに変換し
このフィブリンによって血液凝固反応(フィブリン網形成)が起こる。
外因性経路は第Ⅲ因子(組織因子)がビタミンKによって活性化された第Ⅶ因子と
カルシウムイオンと血小板膜のリン脂質で複合体を作る。
この複合体は第Ⅹ因子を活性化して、その後、内因性経路と同じようにフィブリン網を作る。
血管内で血液凝固が永遠に進行しないために、抑制する作用が働く。
抗凝固因子のプロテインCとプロテインSは肝臓で合成され、合成にはビタミンKが必要である。
プロテインCもプロテインSもビタミンKによりGla化させるタンパク質で
活性化すると、協力して血液凝固因子の活性型第Ⅷ因子と第Ⅴ因子を不活性化して
血液凝固反応を遅らせる。
②骨代謝
骨は絶えず、破骨細胞により古くなった骨組織を壊し(骨吸収)
骨芽細胞によって新しい骨組織を作っている(骨形成)。
これを骨のリモデリング(再構築)という。
骨芽細胞で産生されるオステオカルシンはカルシウム結合タンパク質で
ビタミンKにより活性化され、骨形成に必要である。
オステオカルシン内のグルタミン酸残基(Glu)がカルボキシラーゼにより
γ-カルボキシグルタミン酸残基(Gla)に変換されると活性型オステオカルシンとなり
この活性型のみがカルシウムを骨に貯蓄できる。
ビタミンKが不足すると、グルタミン酸残基(Glu)がγ-カルボキシグルタミン酸残基(Gla)に
変換されないため、骨基質に取り込まれず血中に放出される。
そのため、骨代謝マーカーとして利用される。
オステオカルシンは骨の石灰化や骨にカルシウムを貯蔵するのに必要なタンパク質で
ビタミンKはオステオカルシンを活性化させることで、骨形成の促進に関わっている。
また、ビタミンKは骨吸収を抑制する働きもする。
造血幹細胞から破骨細胞への分化を抑さえ、破骨細胞の供給を減らすことで
骨吸収の抑制している。
・カリウム
細胞内の余分なナトリウムと水分を排出する。
そしてナトリウムが腎臓で再吸収されるのを防ぎ、尿としての排出を促す。
このように、カリウムはナトリウムによる血圧上昇を抑える作用があり
高血圧を予防し、手足の浮腫みを解消する。
日本人は、塩分としてナトリウムを摂りすぎるので、カリウム摂取を心掛けるとよい。
特にこの時期、大量に汗をかくとカリウムが汗と一緒に排出されてしまう。
カリウムが不足すると筋肉の痙攣や低カリウム血症が起こり
疲れやすく、夏バテの原因になるので注意。
・カルシウム
体内のカルシウムのうち99%は骨や歯の中に蓄えられ、これを「貯蔵カルシウム」という。
残りの1%は、血液や体液中に「機能カルシウム」として存在している。
機能カルシウムは生命維持に重要な役割を果たしている。
そのため骨に蓄え、不足した時は溶かして利用している。
①骨や歯を作る
カルシウムは胃酸によりイオン化されたり、炭酸やクエン酸のキレート作用で
小腸上部の十二指腸で能動輸送により吸収される。
能動輸送とはATPを利用し、濃度勾配に逆らって物質を輸送すること。
これには、活性型ビタミンDが必要。
しかし、ここでは一定の量しか吸収することができず
多くは小腸下部の空腸、回腸で受動輸送により吸収される。
受動輸送とは膜の内外で生じる濃度勾配に逆らわず
ATPを利用しないで物質を輸送すること。
空腸や回腸ではph値が上がり、カルシウムイオンはイオンの状態が保てなくなり
リンと結合しやすく、リン酸カルシウムとなってしまう。
リン酸カルシウムは水に溶けにくく、吸収されにくい。
カルシウムは一度に大量に摂取するよりも、毎回の食事で摂取するほうが吸収されやすい。
小腸で吸収されたカルシウムは血液の中を流れ
99%がハイドロキシアパタイト(骨塩)となり、骨に貯蔵されている。
骨は常に作り変えられ、破壊と再構成を繰り返している。
破骨細胞は骨を溶かし(骨吸収)、骨芽細胞は骨形成をする。
②血液のph値を一定に保つ
血液中にカルシウムイオンが一定量あることで、血液は弱アルカリ性(ph7.4)に保たれている。
血中カルシウムイオンが減少すると、副甲状腺にあるカルシウム受容体が感知して
副甲状腺ホルモン(PTH)を分泌させ、破骨細胞を活性化し骨吸収を促進させる。
すると、骨からカルシウムが溶け出し、血中カルシウム濃度が上がる。
血中カルシウム濃度が上がれば、カルシウム受容体はこれを感知し
副甲状腺ホルモンの分泌を抑制する。
血中カルシウム濃度が上昇しすぎると、甲状腺からカルシトニンが分泌され
破骨細胞に働きかけ、骨吸収を抑制する。
すると、骨からカルシウムが溶け出すのを抑えられる。
こうして血液は弱アルカリ性に保たれており、これを酸塩基平衡という。
「カルシウムパラドックス」
カルシウムが血液中で一定量に保たれることは、生命維持をすることである。
そのためカルシウムの摂取量が不足すると、骨からカルシウムがどんどん溶け出し
血中カルシウム濃度が上昇する。
すると骨粗鬆症になり、血液中に増えたカルシウムが沈着し動脈硬化を引き起こし、高血圧になる。
血中のカルシウムは細胞に運ばれ、細胞ではカルシウムチャンネルがホルモンにより
開いたままになり、細胞内にカルシウムがどんどん入り込んでしまう。
膵臓に入り込むと、インスリンが分泌されなくなり糖尿病になる。
脳に入り込むと、脳細胞が障害され認知症、アルツハイマー病などが起こる。
腎臓では結石ができ、腎臓結石となる。
このように生活習慣病といわれる病気を引き起こす。
カルシウム摂取量が足りないのに、細胞内はカルシウムが増え過ぎてしまうという逆説が起こる。
これをカルシウムパラドックスという。
③神経伝達に関与
情報は神経細胞(ニューロン)が次の神経細胞に電気的な信号を送ることで伝わるが
神経細胞間にはシナプス間隙という隙間があり、電気的信号はこの間を流れることが出来ない。
そのため神経伝達物質という化学物質により、情報を伝達している。
情報が神経細胞の末端のシナプスまで伝わると
神経細胞膜上のカルシウムチャンネルが活性化され開く。
そこへカルシウムイオンが流入し、神経細胞内の電位がプラスに上昇すると
電気的な活動が起こり、シナプス小胞が膜に移動し脱分極して
神経伝達物質をシナプス間隙に放出する。
放出された神経伝達物質は次の神経細胞の受容体に結合し
神経細胞膜上のナトリウムチャンネルが開く。
ナトリウムが流入すると、電位が生じ情報が伝わる。
カルシウムは神経伝達物質を放出するために、重要な役割をしている。
④筋肉の収縮
骨格筋や心筋は横紋筋という筋肉で構成されている。内臓は平滑筋である。
横紋筋の筋細胞(筋繊維)は筋原線維という細長い円錐形をした細胞が集まってできている。
筋原線維は細いフィラメントのアクチンと太いフィラメントのミオシンというタンパク質が
規則正しく交互に並んで構成されている。
筋肉の収縮はミオシン(太いフィラメント)の間にアクチン(細いフィラメント)が
滑り込むことで起こる。
筋原線維は筋小胞体という膜に囲まれていて
その上にT管という筋細胞(筋繊維)の細胞膜が細くなったものが取り巻いている。
骨格筋でいうと脳からの収縮命令を運動神経が伝えると
運動神経の末端でシナプスと構造により神経伝達物質のアセチルコリンが放出される。
アセチルコリンの働きでT管に活動電位(インパルス)が伝わると
筋小胞体に貯槽されたカルシウムイオンが放出される。
カルシウムイオンはアクチン上のトロポニンと結合して、その構造を変化させると
同じアクチン上のトロポミオシンはアクチンから離れる。
トロポニンとトロポミオシンは筋肉の収縮を阻害するので、
これによってアクチンフィラメントにミオシン頭部が結合できる。
ミオシン頭部はATPを分解し、そのエネルギーでアクチンに結合したぐり寄せる。
そして筋肉は収縮する。
このように、カルシウムイオンの濃度は筋収縮に重要な役割を果たしている。
⑤血液凝固
通常、血液は凝固しないが、血管外に出た血液が自然に固まる現象を血液凝固という。
血管が損傷すると血小板が集まり、損傷部位に粘着し、血小板血栓を作ることで止血をする。
これを「一次止血」という。
一次止血で作られた血小板血栓をより強固なものにするため
血液凝固因子を活性化させ、フィブリンの網を作りフィブリン血栓を作ることで止血をする。
これを「二次止血」という。
血管が修復されると、フィブリン網は線溶系で分解される。
a. 一次止血
血管内皮細胞が損傷すると、細胞下組織のコラーゲンが露出し
そこにvon Willebrand因子(vWF)が結合する。
血小板はvWFに粘着し、コラーゲン受容体がコラーゲンを認識すると活性化する。
また、vWFに結合した血小板は、血流の流される力で形を歪まされるが
この「ずり応力」も血小板を刺激し活性化させる。
粘着した血小板は表面にしわをよせ偽足という突起をだし形態を変える。
この偽足は長い足のような形をして、周りの血小板とより強く粘着できるようになる。
活性化した血小板は形を変え、血小板内の顆粒を放出する。
脱顆粒により、周囲の血小板も二次的に活性化し、より強く粘着し血栓を作る。
血小板が活性化し脱顆粒するにはカルシウムチャンネルからのカルシウムイオンの流入が必要である。
b. 二次止血
一次止血の血小板凝集は不安定のため、これにフィブリン網を被せることで
フィブリン血栓を作り、止血を強化する。
血液凝固には血液凝固因子(第I~XIII)とリン脂質(細胞膜)とカルシウムイオンが関わる。
[内因系]
血管内の凝固因子だけで行われる。進行がゆっくりである。
血管内皮細胞が傷ついたことにより、血液がコラーゲンに接触すると
第XII因子を活性化し、次々と凝固因子を活性化しカスケード型反応がはじまる。
そして、活性化したIX因子はカルシウムイオン(第IV因子)と第VIII因子と
血管細胞膜のリン脂質と複合体を作り、第X因子を活性化させる。
活性化された第X因子はプロトロンビンをトロンビンにする。
トロンビンはフィブリノゲンを分解し、フィブリン(線維素)を作る。
フィブリンは網を作り、血小板の上に結合する。
[外因系]
破壊された組織成分からはじまる凝固。進行が速く、内因性より重要な凝固である。
外傷などにより、損傷した組織から組織因子(tissue factor:Tf 第III因子)が放出されると
第VII因子を活性化し、活性化した第VII因子とカルシウムイオン(第IV因子)と
血小板膜のリン脂質と複合体を作り、第X因子を活性化させる。
ここから先は、内因系と同じ反応。
カルシウムは血液凝固因子として関与する。
・食物繊維
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類がある。
①水溶性食物繊維
植物の細胞の中の分泌物や貯蔵物質に含まれる。
水に溶けるとゲル状になり、糖の吸収を遅らせ、急激な血糖値の上昇を防ぐ。
腸内細菌による発酵で腸内が酸性化し、酸性環境は悪玉菌を抑える。
また、善玉菌のエサにもなるので、腸内環境を整える。
種類
ペクチン・・・熟した果物、野菜に多い。
グルコマンナン・・・こんにゃく。
アルギン酸、フコイダン・・・海藻類。
グアーガム・・・豆科の植物。
②不溶性食物繊維
植物の細胞壁を構成している成分で、水に溶けない。
腸管内で水分を吸収して膨れるため量が増え、腸壁を刺激し蠕動運動が盛んになる。
このため、便の排泄を促し、腸内の老廃物を排出する。
種類
セルロース・・・穀類、野菜、豆類、林檎、梨、ナッツ類に多い。
ヘミセルロース・・・海藻類、シリアル、無精製の穀類。
ペクチン・・・未熟な果物、野菜。
リグニン・・・ココア、豆類。
グルカン・・・キノコ類。
アガロース・・・紅藻類(テングサ、オゴノリ)寒天の主成分。
キチン・・・エビ、カニの殻。
・グルコシノレート
アブラナ科の植物に含まれる、辛味のもと。からし油配糖体。
刻んだり、咀嚼したりすると組織が壊され
グルコシノレートはミロシナーゼという酵素に加水分解され、刺激物質を発する。
植物が外敵から身を守るための防御物質である。
肝臓の解毒作用を活性化させる作用があり、癌を予防する。
また、花粉症などのアレルギー疾患を予防する。
白菜は95%が水分でありながら、栄養素も含まれており
ダイエット食材としてもいいですよね。
味が凍み混んだ白菜は、たまりません。
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