暑いので。。。南極の話などを(笑)
南極観測ってどんな事をしているのだろう?
と思った事はありませんか?
南極大陸は氷が溶けずに、ずっと積み重なっているため
下層の氷を掘削し、含まれている物質を分析すると
何十万年も前の様子を知ることができるそうです。
日本には「ドームふじ」という基地があり
標高3810メートルという、富士山と同じくらいの高さから、深~く細い穴を掘り
氷床のサンプルを切り取っています。
1996年に2503メートルの掘削に成功し、34万年前の気候変動が研究出来、
2007年には3035メートル、72万年前まで成功しているそうです。
南極には隕石も多く、日本は南極隕石を世界で一番多く保有しています。
希少な月隕石や火星隕石は、その成分を観察すると
月や火星に何があるのかを知る手掛かりになります。
こういった研究をされている方々の物資や機材、燃料を届けるのが
「しらせ」という南極観測船です。
南極観測は文部科学省が行っているため、建造は文部科学省で、
そして、運航しているのは、海上自衛隊です。
海上自衛隊では、砕氷艦といい、文部科学省では、南極観測船と呼んでいます。
さて、その「しらせ」。
幸運にも、母港である横須賀に入港していましたので
見学することが出来ました。
マストにくっついている箱のような部屋は
上部操舵室です。
高い位置に第二艦橋を設置して
天候が悪く、遠くまで見通しがきかない時は
こちらから操作ができるようになっています。
↓横から見た、上部操舵室。
ちょっと、分りにくい写真ですが。。。
前部には、クレーンがついていて、これで荷物を運搬します。
後部にある、飛行甲板とヘリ格納庫。
輸送用の大型ヘリが2機と、偵察用の小型ヘリ1機を搭載してます。
ヘリは「しらせ」に積んだ後、分解して南極まで運び
「しらせ」内で組み立てて、南極での作業に入ります。
格納庫の上に、航空管制室(真ん中の窓が5個あることろ)があり
ここから、ヘリに指示が出されます。
左、救命艇2隻(寒い所でも大丈夫な蓋?屋根つき)と
右、救命ボート1隻。
隊員室。一室2名です。
「しらせ」の名前の由来ですが、これは一般公募したそうです。
一般的には、日本で最初に南極を踏破した、白瀬矗(しらせのぶ)陸軍中尉から
付けられたと言われていますが
艦名は名所旧跡の名前から付けるのが、決まりということで
海上自衛隊では、白瀬氷河からつけたという発表だったそうです。
私も白瀬矗からだと、思ってましたw
南極では、たくさんの観測が行われています。
電離層観測・・・情報通信研究機構(宇宙)
気象観測・・・気象庁(地球温暖化予測・オゾン層の監視)
氷床変動の原因やメカニズムを解明して、将来起こりうる影響を予測
(地球温暖化で氷床が融解し、地球環境が心配されているため)
国土地理院・・・南極大陸のプレート運動や地殻変動の把握など、地形データの収集整理
海上保安庁・・・海底地形調査による海図作成
(「しらせ」に導入された、マルチビーム音響測深装置によりデータを収集)
などなど、他にもあります。
「しらせ」はオーストラリアの観測船が、氷で動けなくなったのを2度も
救出しています。それだけこの艦の能力の高さが分ります。
「しらせ」の砕氷能力は、厚さ約1.5mの氷の上を3ノットで進むことができます。
船底を丸くし、氷の上を進みやすく作られていて
船体は丈夫にするため、アイスベルトという鋼が取り付けられています。
1.5mの厚さを越える氷には、ラミング(チャージング)砕氷という方法で進みます。
これは、200~300m後退して、猛ダッシュで氷の上に乗り上げ
艦の重さで氷を打ち砕くという方法です。すごいです~w
補助的な機能として、ヒーリングタンク(艦の下の方オレンジの辺にあります)の
オイルをポンプで片側に移動させ、船体を5度傾けることで重心をずらし
その重さで、左右の氷を砕くという方法があります(ヒーリング砕氷)。
ね!すごい能力だと、思いませんか?
日本が誇る「しらせ」。
無事の活動を願います。
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