脊柱起立筋群
棘筋 : 胸棘筋 頚棘筋 頭棘筋
最長筋 : 胸最長筋 頚最長筋 頭最長筋
腸肋筋 : 腰腸肋筋 胸腸肋筋 頚腸肋筋
□特徴
後頭骨から仙骨におよぶ広い範囲に分布する。
脊柱の直立保持に作用する抗重力筋。
両側同時に働けば頸部と脊柱全体を伸展させ、片側だけ短縮すると同時に側屈・回旋する。
下部体幹のすべての筋群は混合した1つの筋肉塊である。
これらの筋群は広背筋腱膜の内側面に層として連結している厚い腱鞘の深部面に付着している。
背部筋群の作用には、基本的には腰椎の伸展に関与する。
仙骨が固定されれば、腰椎と胸椎をそれぞれ腰仙関節と胸腰関節で強力に伸展される。
加えて腰椎前弯を増強する。
これは、背筋群が腰椎部の彎曲の両端を完全もしくは不完全に結び付けているからである。
背筋群が腰椎脊柱を真っ直ぐにするというのは正しくない。
腰椎を後方に引き、腰椎の彎曲を増加させるのである。
この筋群は呼気作用に関与する。
棘筋 Spinalis
起始 胸棘筋:L1~2 T11~12の横突起
頚棘筋:T1~2 C7棘突起
頭棘筋:T1~7 C7棘突起 C4~6関節突起
停止 胸棘筋:T1~8棘突起
頚棘筋:C2~4棘突起
頭棘筋:上下項線間の後頭骨
神経 脊髄神経後枝
血管 肋間動脈後枝
作用 脊柱の伸展 側屈 回旋
□特徴
紡錘状をしており、棘間筋の両側及び横突棘筋の後方にある。
線維は深層になるほどその走行も短くなる。
最長筋 Longissimus
起始 胸最長筋:腰腸肋筋 腸骨稜 下位胸椎・上位腰椎棘突起 下位胸椎横突起 正中仙骨稜
頚最長筋:T1~6横突起
頭最長筋:C3~T3横突起・関節突起
停止 胸最長筋:上位腰椎副突起 全胸椎横突起 腰椎横突起 肋骨角
頚最長筋:C2~5横突起
頭最長筋:側頭骨乳様突起
神経 脊髄神経後肢外側枝
血管 肋間動脈と腰動脈の後枝 後頭動脈の筋枝 肋頸動脈の深頚枝
作用 脊柱の伸展 側屈 回旋
筋連結 腸肋筋 多裂筋 腰方形筋
□特徴
棘筋の外側にあって胸郭の後方を走る。
腸肋筋 Iriocostalis
起始 腰腸肋筋:腸骨稜 仙骨 下位腰椎棘突起 胸腰筋膜内面
胸腸肋筋:第7~12肋骨上縁
頚腸肋筋:第3~7肋骨上縁
停止 腰腸肋筋:第12肋骨下縁 第4~11肋骨角
胸腸肋筋:第1~7肋骨角
頚腸肋筋:C4~6横突起
神経 脊髄神経後枝外側枝C8~L1
血管 肋間動脈と腰動脈の後枝
作用 脊柱の伸展 側屈 回旋
筋連結 最長筋 多裂筋 腰方形筋
□特徴
プリズムの形をした厚い肉塊で、最長筋の筋群後方及び外側方にある。
胸郭の後壁部をなす。
腸肋筋の線維は他の筋と一緒に、下位5頸椎横突起まで上行する。
□TP
腰腸肋筋
関連痛パターン:筋腹に沿って。あるいは臀部に起こる。
TP:筋腹に沿って生じる。
脊柱側弯症、脊柱後弯症、脚長差、または体幹を突然捻じったり曲げたりする動作などで損傷する。
胸腸肋筋
関連痛パターン:筋腹に沿って、肩甲下角および同側の上腹部
TP:筋腹に沿って
脊柱側弯症、脊柱後弯症、脚長差、または体幹を突然捻じったり曲げたりする動作などで損傷する。
上腹部への関連痛は割合に多いので、筋筋膜トリガーポイントによるものか、内臓器官の異常からくるものかを明確に鑑別する必要がある。