大菱形筋 Rhomboid major
起始 第1~4胸椎の棘突起 棘間靭帯
停止 肩甲内側縁下部2/3
神経 肩甲背神経 C4~6
作用 肩甲骨挙上 内転 下方回旋
血管 頚横動脈 後肋間動脈(上方)
速筋:遅筋(%) 55.4:44.6
筋連結 小菱形筋 大円筋 僧帽筋 前鋸筋
小菱形筋 Rhomboid minor
起始 最下2頸椎の棘突起・項靭帯
停止 肩甲骨内側縁上部1/3
神経 肩甲背神経C4~6
作用 肩甲骨の挙上 内転 下方回旋
血管 頚横動脈 後肋間動脈(上方)
筋連結 大菱形筋 大円筋 僧帽筋 上後鋸筋 前鋸筋
□特徴
菱形筋は肩甲骨を引きつけ、肩をいわゆる「気をつけ」の形にする姿勢筋である。
長時間座ってのタイピングの際に、この菱形筋自体および付着部の痛みを訴える。
この痛みは単なる筋の過労であり、簡単に元に戻る。
大菱形筋と小菱形筋を区別することは困難であるためそれらを一緒に触診する。
□触診
菱形筋を触診する場合、肩甲骨内側縁の平らな三角形部を目印とする。
この部分が小菱形筋の停止部で、その起始部は第3胸椎棘突起である。
菱形筋は上を覆っている僧帽筋と区別できるように、この筋のみを目立たせることが出来る。
その方法は患者に肩関節内旋、肘関節屈曲させ、上肢を背側へ回し、抵抗運動させるように後方から手を押す。
そうすれば、棘突起と肩甲骨内側縁の間約5cmの幅で斜め下方に走行している筋腹が触知できる。
比較の意味で反対側の菱形筋も同じ方法で触診する。
□TP
関連痛パターン:肩甲骨内側縁に沿って
TP:肩甲骨内側縁の2横指内側にいくつかのトリガーポイントができることがある。
菱形筋強化のために行われる前傾姿勢からの重量挙げでも損傷する。
腕を前方に伸ばし、肩甲骨を外転させた状態で前傾姿勢をとりながら長時間仕事をしても起こる。
上頸部症候群は長時間菱形筋を過度に伸張させて、筋筋膜トリガーポイントの発生原因になることがある。