傷が治っていく過程(創傷治癒)は、止血期、炎症期、増殖期、成熟期の4段階。
止血期は、血を止める。
炎症期は、白血球などが、細菌や壊れた組織など異物を取り除く。
増殖期は、新しい組織や血管がつくられる。
成熟期は、瘢痕(傷跡)となって修復される。
前回の止血期では、血小板が血栓をつくって出血を防ぎ、フィブリンがその血栓をさらに強固にして止血をしました。
今回はその次の炎症ですが、この4段階はオーバーラップして進行するので、止血期からすでに炎症期への進行がはじまっています。
活性化した血小板は、血小板の凝集を促進させる物質の他に炎症を促進させる物質も生成し、また障害を受けた組織や周辺の肥満細胞からも炎症を引き起こす物質が放出され、熱感、発赤、疼痛、腫脹という炎症の四徴候が現れる。
炎症
炎症の主徴である熱感、発赤、疼痛、腫脹は、
・熱感 : 血流量が増加しているということ。すなわち、血管が拡張している。
・発赤 : 皮膚が赤く見えるのは、血管が拡張して毛細血管が充血しているため。
・疼痛 : 痛覚受容器を刺激して異常を知らせる。
・腫脹 : 血管壁の隙間を拡げる。血液中の赤血球以外の水分などが血管外へ漏れるので腫れ
る。すなわち、血管透過性が亢進している。
これら炎症反応を引き起こす物質を炎症メディエーターといい、ヒスタミン、セロトニン、ブラジキニン、プロスタグランジン、ロイコトリエンなどがある。
炎症メディエーターは、血管を拡げてより多くの血液が損傷部位に流れるようにし、血管透過性を亢進して白血球がより多く損傷部位に遊走できるようにしている。
損傷部位に集まった白血球の好中球は、病原体、異物、壊死組織などを貪食したり、有害物質を融解させる。
好中球が処理できなかった有害物質や壊死組織は、マクロファージによって貪食され処理される。
炎症期の終りには、リンパ球や形質細胞が多く浸潤し、免疫反応を介して病原体の排除に働く。
白血球の機能を高めるとして知られるアルギニン。
アルギニンは、体内で合成できるのアミノ酸の1つ。
多く含まれる食品は、かつお節、しらす干し、アーモンド、高野豆腐、鶏むね肉など。
アルギニンは、血管を拡張させて血流量を増加するので、サプリメントなどで過剰に摂取すると副作用があり、頭痛、下痢、腎臓や肝臓へ負担がかかる。
また、ヘルペスの人、低血圧の人、心臓に疾患がある人は摂取しないほうがよいそうです。
本日も読んでいただき、ありがとうございました。
この続きはまた。
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