先日、新鮮なキュウリを沢山いただきましたので
キュウリのこと、色々と調べてみました。
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ウリ科の一年草
旬は6~8月
■原産地
ヒマラヤ山麓付近。
ネパールからインド北西部。
3000年以上前から西アジアで栽培され、日本には6~10世紀頃、中国から渡ってきました。
江戸時代では、苦く渋みがあるので、食用というよりは薬として使われていたようです。
現在では品種改良が進み、苦みや渋みは、ほとんど無いですよね。
■成分と効能
・成分の約96%が水分
・カリウム
細胞内の余分なナトリウムと水分を排出する。
そしてナトリウムが腎臓で再吸収されるのを防ぎ、尿としての排出を促す。
このように、カリウムはナトリウムによる血圧上昇を抑える作用があり
高血圧を予防し、手足の浮腫みを解消する。
日本人は、塩分としてナトリウムを摂りすぎるので、カリウム摂取を心掛けるとよい。
特にこの時期、大量に汗をかくとカリウムが汗と一緒に排出されてしまう。
カリウムが不足すると筋肉の痙攣や低カリウム血症が起こり
疲れやすく、夏バテの原因になるので注意。
・ビタミンC
①コラーゲンの合成
タンパク質の1つであるコラーゲンの合成を手助けし、血管、皮膚、粘膜、骨を強化する。
食品に含まれるコラーゲンは、食べてもそのままでは体内でコラーゲンとして吸収されない。
コラーゲンに合成するには、同時にプロシンやリシンを含むタンパク質とビタミンCを
摂取しなければならない。
プロシン・・・動物の皮に含まれている。
リシン・・・牛乳・大豆・蕎麦・レバーに含まれている。
ビタミンC・・・野菜や果物に含まれている。
②免疫力アップ
風邪などを予防する。
免疫力に関与しているのが白血球で顆粒球・単球・リンパ球がある。
その内、顆粒球は好中球・好酸球・好塩基球の3つがある。
好中球・単球・・・主に細菌や異物を排除する。
好酸球・好塩基球・・・アレルギー反応に関与する。
リンパ球・・・ウイルスの排除、免疫反応の主役。
とそれぞれ重要な仕事を担っている。
ビタミンCは好中球の活性化をする。また、好中球が周りの健康な細胞も攻撃しないよう作用する。
③抗酸化作用
癌・動脈硬化・老化を防ぐ。
体内で酸素を利用すると、活性酸素が発生する。
この活性酸素が細胞を酸化させると癌や老化、生活習慣病になる。
ビタミンCは酸化されやすく、細胞が傷つく前に酸化されて、体を守る。
④血行促進
貧血・動脈硬化を防ぐ。
ビタミンCは鉄が腸管から吸収される際、吸収されやすい形に変える。
食物から摂取した鉄の吸収率は10%しかなく、ビタミンCの働きがないとさらに下がる。
コレステロールは細胞膜を形成する重要な脂質の一種。
その中でもLDL(悪玉コレステロール)は細胞にコレステロールを供給するが
増え過ぎると血管壁に入り込んで酸化され、この酸化悪玉コレステロールが溜まると
動脈硬化の原因となることがある。
ビタミンCは抗酸化作用があるので、これを防ぐ。
⑤抗ストレス
ストレスに強くなる。
ストレスを受けると副腎から抗ストレスホルモンが分泌され、身を守ろうとする。
それには2通りある。
・SAM系(sympathetic-adrenal-medullary axis)
大脳辺縁系から視床下部に伝達され、交感神経節及び副腎髄質からノルアドレナリン、アドレナリンが分泌される。
闘争・逃走反応=緊急反応で交感神経優位の防御反応
闘争・逃走反応とは動物が外敵に遭遇する時には、みずからの生命を守るための原始的な自己防衛本能
身を守るために。敵が弱そうであれば闘争し、強そうであれば逃走する。
交感神経緊張が増加し、心拍数が増加し、血圧を上昇し、呼吸を促進し、瞳孔が散瞳する。
・HPA系(hypothalamic-pituitary-adrenal axis)
大脳辺縁系から視床下部伝達され、下垂体を介して副腎皮質からコルチゾールが分泌される。
フリージング(すくみ反応)=受動的ストレス反応(行動抑制反応)
ストレス刺激によりじっと動かなくなり、外部に対して反応しなくなる。
血圧も心拍も低下する。
コルチゾールの作用は血糖値の上昇、脂肪分解促進、抗ストレス作用、抗炎症作用、
免疫抑制作用であり、長期戦に備えての反応とみることができる。
そして、コルチゾールはビタミンCとコレステロールから作られているので
ビタミンCが不足するとこれらの対応が出来なくなる。
・キュウリアルコール
キュウリの香りはこの分子によるもの。
組織を破壊することで生成されるので、組織を破壊する前に加熱すると
特徴的なキュウリの臭いはしない。
・ククルビタシン
ウリ科植物特有のステロイドの一種で、苦みの成分。
胃液や唾液の分泌を促進し、食欲を増進させる作用がある。
夏バテ防止によい。
含有量が多いひょうたんやへちま、ゆうがおは食中毒になる場合があるので
食する時は注意する。
・ピラジン
キュウリの青臭さの成分。
血小板の凝集を抑え、血栓を出来にくくする。
血栓予防・心筋梗塞・脳梗塞の予防に期待されている。
・イソクエシトリン
利尿作用があり、体内の老廃物を排出する働きがある。
腎機能を整え、むくみの解消が期待されている。
・アスコルビナーゼ
ビタミンCを破壊する酵素。組織が破壊されると一層、活性化する。
他の野菜や果物と食べる時は注意が必要。
酸や酢と一緒に摂ったり、加熱したり、発酵させると酵素の作用がなくなる。
・ホスホリパーゼ
脂肪分解酵素。
熱に弱く、酵素の効果を期待するなら、生で食べるとよい。
すりおろすと酵素がより効果的に摂取できる。
■その他
・名前の由来
中国で西方民族の事を”胡”と表わしていて、西方から来た瓜という意味で「胡瓜」
となった。胡麻や胡桃と同じらしい。
日本では江戸時代以前には完熟して黄色くなってから食べていたので「黄瓜」
(きうり)と呼ばれていたが、中国の「胡瓜」という字をあてはめたらしいです。
・鮎はキュウリの匂いを嫌うので「アユを釣りに行く人は、前日にキュウリを食べてはいけない」
という言い伝えがあるそうです。
・キュウリの切り口が徳川家の三つ葉葵の紋に似ていることから
武士は「おそれ多い」として、キュウリを食べなかったそうです。
・京都では「祇園祭が行われる7月は、キュウリを食べない」
という言い伝えがあるそうです。
こちらも八坂神社の神紋と輪切りにしたキュウリの切り口が似ていることから
「おそれ多い」とのことだそうです。
・3日天下と呼ばれる明智光秀の家紋、桔梗紋もキュウリの輪切りにした切り口が
似ていることから、武士はキュウリを食べる習慣がなかったとか。。。
聞いたことがあることも無いことも色々あって、面白いです。
今が旬のキュウリ。瑞々しくて美味しいです happy01 note
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