うちで使っている治療機器の中にスーパーライザーというものがあります。
主に、ペインクリニックなどで疼痛治療器として使われているものです。
直線偏光近赤外線治療器といいますが、近赤外線を直線偏光子で一定の方向に揃えて、直線方向に照射することができます。
こういう説明を読んでも、いまいちピンとこなくないですか?
私は、そうでしたw
なので、私の理解している範囲で、ちょっとご紹介します。
❏ 光線療法
近赤外線を使う理由ですが、光線療法では、「紫外線」、「可視光線」、「赤外線」、「レーザー光」が用いられていて、その波長によって作用が異なるため、目的に応じて使い分けられています。
可視光線は目に見える光のことですが、これを基準に波長が短ければ光化学反応が主な作用で、波長が長ければ光熱反応が主な作用となります。
よって
可視光線より波長が短い紫外線 → 光化学反応
・殺菌作用
・免疫抑制など
皮膚疾患の治療に用いられています。
そして
可視光線より波長が長い赤外線 → 光熱反応
・温熱作用
・血流改善作用
・神経節ブロック作用
などの目的で、疼痛、創傷治癒などの治療に用いられています。
ところで、可視光線の中で一番波長が短いのは紫、次に藍、青、緑、黄、橙、赤となりますが、紫外線は可視光線の一番波長が短い紫の外だから「紫外線」で、赤外線は可視光線の一番波長が長い赤の外だから「赤外線」というようです。
順番に並べると、「紫外線」「紫、藍、青、緑、黄、橙、赤」「赤外線」となります。
可視光線は、この7つというわけではなく、色と色の間もあるのですが、虹を思い浮かべていただくと分かりやすいかと思います。
脱線。。。
元に戻りますw
そして、赤外線には「近赤外線」、「中間赤外線」、「遠赤外線」があり
近赤外線 → 皮膚を透過しやすく皮下まで到達する
深達度が深いので温熱療法として活用
血流改善の効果が得られやすい
遠赤外線 → 表皮で吸収される
皮膚の浅部にある温感覚受容器を興奮させる
発汗作用を促進する
赤外線の中でも、目的によって使い分けられます。
人の体は、約60%が水分で構成されています。構成率が高い水やヘモグロビンに吸収されにくい光の波長は、可視光線の赤と近赤外線で、水や血液の影響を受けないため深達度が深くなります。
よって、生体深達性の高い波長帯の光(0.6㎛~1.6㎛)である近赤外線を採用しているというわけです。
❏直線偏光
光は、360°ランダムな方向に向かっていて、特定の方向に偏った光のことを偏光といいます。
偏光子は一定方向の光のみを透過して、他の方向の光を遮断するもの。
直線偏光は直線の方向の光だけを透過させたものです。
❏直線偏光近赤外線の作用機序
どうして直線偏光赤外線療法が、様々な療法で有効なのか詳しいことは不明ですが、光エネルギーが熱エネルギーに転換され、血管の拡張、生理活性物質の生産促進をする作用、神経興奮性の抑制などに関与し、鎮痛や消炎、創傷治癒に効果をもたらすと考えられています。
随分長くなってしまいました。
この続きは、また。。。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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