前回に続き、スーパーライザーのことです。
スーパーライザーが開発されたきっかけは、”刺さずに鍼治療ができたら”という要望から。鍼の代わりに光を用いた理学診療機器として開発されました。血流の改善に有効な臨床データの集積を大学病院に依頼したところ、これを星状神経節に当てるドクターが出てきて、理学療法だけでなく、物理療法として効果があることがわかり、病院でも活用されるようになりました。
❏ 主な適応症
〇 全身疾患
不眠症、更年期障害、冷え症、自律神経失調症、線維筋痛症
〇 整形外科疾患
捻挫、骨折、腱鞘炎、靱帯の損傷などによる疼痛、関節炎、リウマチ、筋肉痛、腰痛、頚肩腕症候群、膝関節症、肩関節周囲炎、肩こり、胸郭出口症候群、頚椎症、テニス肘
〇 頭部疾患
片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛、顔面神経麻痺
〇 皮膚疾患
慢性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、湿疹、褥瘡、皮膚潰瘍、帯状疱疹後神経痛、円形脱毛症、多汗症、やけど
〇 口腔疾患
顎関節症、咀嚼筋症候群、抜歯後痛、舌痛症、潰瘍性口内炎
〇 耳鼻科疾患
突発性難聴、耳鳴り、慢性副鼻腔炎、顔面神経麻痺、アレルギー性鼻炎、メニエール病、咽喉頭異常感症、花粉症
〇 眼科疾患
網膜血管閉塞症、網膜色素変性症、視神経炎、角膜潰瘍、緑内障、アレルギー性結膜炎、飛蚊症、眼精疲労
など
鍼を刺すことがなく、副作用や合併症がほぼないスーパーライザーは、神経節ブロックや薬物療法と併用され、色々な治療に使われています。
▢ 星状神経節
よく聞く星状神経節照射ですが、星状神経節は、脊髄から出てきた自律神経の交感神経が一度ニューロンを乗り換えるところで、首の前面の鎖骨の少し上あたりが目安です。
頭部、顔面、首、上肢、胸部、心臓、気管支、肺などを支配している交感神経が集まっているところで、ここに照射して交感神経の興奮を抑えようとするのが星状神経節照射です。
星状神経節ブロックは、ここに局所麻酔薬を注射して、交感神経の作用を遮断する療法です。
交感神経は、血管を収縮させるため、過緊張すると血液の循環障害が起こり、ホルモンの分泌が乱れ、免疫の働きも低下してきます。
病気の治療法の基本は、血液循環を良くすることですので、スーパーライザーで星状神経節を照射し、交感神経の興奮を鎮め、血管を拡張させ血流改善を期待しているわけです。
スーパーライザーの熱刺激は、もともとは鍼治療の”刺さない鍼”というところからの発想なので、スポット照射なのが成程と思うわけですが、赤外線療法の生理的な作用について、もう少し整理したいなと思います。
また、長くなってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
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