傷が治っていく過程(創傷治癒)は、止血期、炎症期、増殖期、成熟期の4段階。
止血期は、血を止める。
炎症期は、白血球などが、細菌や壊れた組織など異物を取り除く。
増殖期は、新しい組織や血管がつくられる。
成熟期は、瘢痕(傷跡)となって修復される。
前回の増殖期では、組織の増殖・修復が始まり、線維芽細胞、コラーゲン、毛細血管、白血球などが損傷した部位をどんどん埋めていき、肉芽組織ができました。
修復過程が進み、肉芽組織内の白血球や毛細血管は減少してコラーゲンが増加していきました。
今回は、最後の過程、成熟期です。
線維芽細胞によりつくられたコラーゲンは、架橋結合し、より強固になる。
損傷部位が肉芽組織で埋められ、コラーゲンがより強固に結合してくると
コラーゲンの生成も減少していき、線維芽細胞はアポトーシスを起こす。
アポトーシスとは、あらかじめプログラムされた細胞死で、状況により不要となった細胞は自殺するようプログラムされている。
傷口が埋まってきたのに、線維芽細胞がコラーゲンの生成を続けると線維化してしまう。
そのため必要以上に増えないよう抑制される。
表皮細胞は、表皮の一番下の基底膜層で分裂・分化し、上方へ移動して最後は垢となって剥がれ落ちる。
創傷治癒における表皮細胞の動態は、通常のターンオーバーより急速に進み、表皮細胞がどんどん増え創をふさいでいく。
線維芽細胞がコラーゲンを生成するときや表皮細胞の細胞分裂には、亜鉛が必要。
亜鉛は牛肉や牡蠣、高野豆腐、納豆に含まれている。
ビタミンCはコラーゲンの合成に必要で、アミノ酸の代謝や鉄の吸収に関与している。
成熟期では、これらが不足しないよう栄養管理に気をつける。
以上で創傷治癒を終わります。
今日も読んでいただきありがとうございました。
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