WHOLE HARMONY ホールハーモニー上大岡カイロプラクティック

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大根のこと

 

 

春の七草のひとつで「すずしろ」と呼ばれていますね。

そんなダイコンのこと調べてみました。

 

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アブラナ科ダイコン属

旬 12月

 

 

■原産地

 

地中海沿岸から中央アジア。

古代エジプトではピラミッド建設で働く人達にニンニクやタマネギと同様

食べられていたようです。

日本へは、奈良時代には中国より伝わっており

江戸時代には練馬大根や守口大根など栽培が盛んになったようです。

 

■成分と効能

 

大根の根の部分は淡色野菜になる

 

・ビタミンC

 

①コラーゲンの合成

タンパク質の1つであるコラーゲンの合成を手助けし、血管、皮膚、粘膜、骨を強化する。

食品に含まれるコラーゲンは、食べてもそのままでは体内でコラーゲンとして吸収されない。

コラーゲンに合成するには、同時にプロシンやリシンを含むタンパク質とビタミンCを

摂取しなければならない。

プロシン・・・動物の皮に含まれている。

リシン・・・牛乳・大豆・蕎麦・レバーに含まれている。

ビタミンC・・・野菜や果物に含まれている。

 

②免疫力アップ

風邪などを予防する。

免疫力に関与しているのが白血球で顆粒球・単球・リンパ球がある。

その内、顆粒球は好中球・好酸球・好塩基球の3つがある。

好中球・単球・・・主に細菌や異物を排除する。

好酸球・好塩基球・・・アレルギー反応に関与する。

リンパ球・・・ウイルスの排除、免疫反応の主役。

とそれぞれ重要な仕事を担っている。

ビタミンCは好中球の活性化をする。また、好中球が周りの健康な細胞も攻撃しないよう作用する。

 

③抗酸化作用

癌・動脈硬化・老化を防ぐ。

体内で酸素を利用すると、活性酸素が発生する。

この活性酸素が細胞を酸化させると癌や老化、生活習慣病になる。

ビタミンCは酸化されやすく、細胞が傷つく前に酸化されて体を守る。

 

④血行促進

貧血・動脈硬化を防ぐ。

ビタミンCは鉄が腸管から吸収される際、吸収されやすい形に変える。

食物から摂取した鉄の吸収率は10%しかなく、ビタミンCの働きがないとさらに下がる。

コレステロールは細胞膜を形成する重要な脂質の一種。

その中でもLDL(悪玉コレステロール)は細胞にコレステロールを供給するが

増え過ぎると血管壁に入り込んで酸化され、この酸化悪玉コレステロールが溜まると

動脈硬化の原因となることがある。

ビタミンCは抗酸化作用があるので、これを防ぐ。

 

⑤抗ストレス

ストレスに強くなる。

ストレスを受けると副腎から抗ストレスホルモンが分泌され、身を守ろうとする。

それには2通りある。

・SAM系(sympathetic-adrenal-medullary axis)

大脳辺縁系から視床下部に伝達され、交感神経節及び副腎髄質からノルアドレナリン

アドレナリンが分泌される。

闘争・逃走反応=緊急反応で交感神経優位の防御反応

闘争・逃走反応とは動物が外敵に遭遇する時には、みずからの生命を守るための

原始的な自己防衛本能

身を守るために。敵が弱そうであれば闘争し、強そうであれば逃走する。

交感神経緊張が増加し、心拍数が増加し、血圧を上昇し、呼吸を促進し、瞳孔が散瞳する。

・HPA系(hypothalamic-pituitary-adrenal axis)

大脳辺縁系から視床下部伝達され、下垂体を介して副腎皮質からコルチゾールが分泌される。

フリージング(すくみ反応)=受動的ストレス反応(行動抑制反応)

ストレス刺激によりじっと動かなくなり、外部に対して反応しなくなる。

血圧も心拍も低下する。

コルチゾールの作用は血糖値の上昇、脂肪分解促進、抗ストレス作用、抗炎症作用

免疫抑制作用であり、長期戦に備えての反応とみることができる。

そして、コルチゾールはビタミンCとコレステロールから作られているので

ビタミンCが不足するとこれらの対応が出来なくなる。

 

 ・カリウム

 

 細胞内の余分なナトリウムと水分を排出する。

そしてナトリウムが腎臓で再吸収されるのを防ぎ、尿としての排出を促す。

このように、カリウムはナトリウムによる血圧上昇を抑える作用があり

高血圧を予防し、手足の浮腫みを解消する。

日本人は、塩分としてナトリウムを摂りすぎるので、カリウム摂取を心掛けるとよい。

特にこの時期、大量に汗をかくとカリウムが汗と一緒に排出されてしまう。

カリウムが不足すると筋肉の痙攣や低カリウム血症が起こり

疲れやすく、夏バテの原因になるので注意。

 

・食物繊維

 

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類がある。

 

①水溶性食物繊維

植物の細胞の中の分泌物や貯蔵物質に含まれる。

水に溶けるとゲル状になり、糖の吸収を遅らせ、急激な血糖値の上昇を防ぐ。

腸内細菌による発酵で腸内が酸性化し、酸性環境は悪玉菌を抑える。

また、善玉菌のエサにもなるので、腸内環境を整える。

種類

ペクチン・・・熟した果物、野菜に多い。

グルコマンナン・・・こんにゃく。

アルギン酸、フコイダン・・・海藻類。

グアーガム・・・豆科の植物。

 

②不溶性食物繊維

植物の細胞壁を構成している成分で、水に溶けない。

腸管内で水分を吸収して膨れるため量が増え、腸壁を刺激し蠕動運動が盛んになる。

このため、便の排泄を促し、腸内の老廃物を排出する。

種類

セルロース・・・穀類、野菜、豆類、林檎、梨、ナッツ類に多い。

ヘミセルロース・・・海藻類、シリアル、無精製の穀類。

ペクチン・・・未熟な果物、野菜。

リグニン・・・ココア、豆類。

グルカン・・・キノコ類。

アガロース・・・紅藻類(テングサ、オゴノリ)寒天の主成分。

キチン・・・エビ、カニの殻。

 

 ・アミラーゼ(ジアスターゼ)

 

デンプンやグリコーゲンなどの糖質を分解する消化酵素。

胃腸薬にも使用され、胃もたれや胸やけの防止や

胃腸の消化機能を改善する。

熱に弱いため、生で食べるほうが良い。

体内では唾液と膵液にも含まれている。

 

・オキシターゼ

 

解毒作用があり、焼き魚の焦げた部分に含まれる発がん性物質

ベンツピレンの分解をする。

しかし、焦げに含まれるベンツピレンは少量のため

気にするほどではないそうだ。

 

・イソチオシアネート

 

辛味成分の一種。

本来、植物が虫などから身を守るために持っている成分だと考えられている。

大根を切ったり、すりおろしたりすると細胞が壊れて化学反応を起こす。

グルコシノレートと芥子油配糖体がミロシナーゼという酵素に混ざり

化学反応を起こすことで、イソチオシアネートが生成される。

若い大根に多く、また根の先端に多く含まれる。

癌の元になる傷ついた細胞の増殖を抑える作用があり、癌予防に効果がある。

また、コレステロールをコントロールしたり、殺菌作用

消化促進、血栓予防などの効果があるといわれている。

 

 

大根の葉の部分は緑黄色野菜になる

 

・カルシウム

 

体内のカルシウムのうち99%は骨や歯の中に蓄えられ、これを「貯蔵カルシウム」という。

残りの1%は、血液や体液中に「機能カルシウム」として存在している。

機能カルシウムは生命維持に重要な役割を果たしている。

そのため骨に蓄え、不足した時は溶かして利用している。

 

①骨や歯を作る

カルシウムは胃酸によりイオン化されたり、炭酸やクエン酸のキレート作用で

小腸上部の十二指腸で能動輸送により吸収される。

能動輸送とはATPを利用し、濃度勾配に逆らって物質を輸送すること。

これには、活性型ビタミンDが必要。

しかし、ここでは一定の量しか吸収することができず

多くは小腸下部の空腸、回腸で受動輸送により吸収される。

受動輸送とは膜の内外で生じる濃度勾配に逆らわず

ATPを利用しないで物質を輸送すること。

 

空腸や回腸ではph値が上がり、カルシウムイオンはイオンの状態が保てなくなり

リンと結合しやすく、リン酸カルシウムとなってしまう。

リン酸カルシウムは水に溶けにくく、吸収されにくい。

カルシウムは一度に大量に摂取するよりも、毎回の食事で摂取するほうが吸収されやすい。

小腸で吸収されたカルシウムは血液の中を流れ

99%がハイドロキシアパタイト(骨塩)となり、骨に貯蔵されている。

骨は常に作り変えられ、破壊と再構成を繰り返している。

破骨細胞は骨を溶かし(骨吸収)、骨芽細胞は骨形成をする。

 

②血液のph値を一定に保つ

血液中にカルシウムイオンが一定量あることで、血液は弱アルカリ性(ph7.4)に保たれている。

血中カルシウムイオンが減少すると、副甲状腺にあるカルシウム受容体が感知して

副甲状腺ホルモン(PTH)を分泌させ、破骨細胞を活性化し骨吸収を促進させる。

すると、骨からカルシウムが溶け出し、血中カルシウム濃度が上がる。

血中カルシウム濃度が上がれば、カルシウム受容体はこれを感知し

副甲状腺ホルモンの分泌を抑制する。

血中カルシウム濃度が上昇しすぎると、甲状腺からカルシトニンが分泌され

破骨細胞に働きかけ、骨吸収を抑制する。

すると、骨からカルシウムが溶け出すのを抑えられる。

こうして血液は弱アルカリ性に保たれており、これを酸塩基平衡という。

 

「カルシウムパラドックス」

カルシウムが血液中で一定量に保たれることは、生命維持をすることである。

そのためカルシウムの摂取量が不足すると、骨からカルシウムがどんどん溶け出し

血中カルシウム濃度が上昇する。

すると骨粗鬆症になり、血液中に増えたカルシウムが沈着し動脈硬化を引き起こし、高血圧になる。

血中のカルシウムは細胞に運ばれ、細胞ではカルシウムチャンネルがホルモンにより

開いたままになり、細胞内にカルシウムがどんどん入り込んでしまう。

膵臓に入り込むと、インスリンが分泌されなくなり糖尿病になる。

脳に入り込むと、脳細胞が障害され認知症、アルツハイマー病などが起こる。

腎臓では結石ができ、腎臓結石となる。

このように生活習慣病といわれる病気を引き起こす。

カルシウム摂取量が足りないのに、細胞内はカルシウムが増え過ぎてしまうという逆説が起こる。

これをカルシウムパラドックスという。

 

③神経伝達に関与

情報は神経細胞(ニューロン)が次の神経細胞に電気的な信号を送ることで伝わるが

神経細胞間にはシナプス間隙という隙間があり、電気的信号はこの間を流れることが出来ない。

そのため神経伝達物質という化学物質により、情報を伝達している。

情報が神経細胞の末端のシナプスまで伝わると

神経細胞膜上のカルシウムチャンネルが活性化され開く。

そこへカルシウムイオンが流入し、神経細胞内の電位がプラスに上昇すると

電気的な活動が起こり、シナプス小胞が膜に移動し脱分極して

神経伝達物質をシナプス間隙に放出する。

放出された神経伝達物質は次の神経細胞の受容体に結合し

神経細胞膜上のナトリウムチャンネルが開く。

ナトリウムが流入すると、電位が生じ情報が伝わる。

カルシウムは神経伝達物質を放出するために、重要な役割をしている。

 

④筋肉の収縮

骨格筋や心筋は横紋筋という筋肉で構成されている。内臓は平滑筋である。

横紋筋の筋細胞(筋繊維)は筋原線維という細長い円錐形をした細胞が集まってできている。

筋原線維は細いフィラメントのアクチンと太いフィラメントのミオシンというタンパク質が

規則正しく交互に並んで構成されている。

筋肉の収縮はミオシン(太いフィラメント)の間にアクチン(細いフィラメント)が

滑り込むことで起こる。

筋原線維は筋小胞体という膜に囲まれていて

その上にT管という筋細胞(筋繊維)の細胞膜が細くなったものが取り巻いている。

骨格筋でいうと脳からの収縮命令を運動神経が伝えると

運動神経の末端でシナプスと構造により神経伝達物質のアセチルコリンが放出される。

アセチルコリンの働きでT管に活動電位(インパルス)が伝わると

筋小胞体に貯槽されたカルシウムイオンが放出される。

カルシウムイオンはアクチン上のトロポニンと結合して、その構造を変化させると

同じアクチン上のトロポミオシンはアクチンから離れる。

トロポニンとトロポミオシンは筋肉の収縮を阻害するので、

これによってアクチンフィラメントにミオシン頭部が結合できる。

ミオシン頭部はATPを分解し、そのエネルギーでアクチンに結合したぐり寄せる。

そして筋肉は収縮する。

このように、カルシウムイオンの濃度は筋収縮に重要な役割を果たしている。

 

⑤血液凝固

通常、血液は凝固しないが、血管外に出た血液が自然に固まる現象を血液凝固という。

血管が損傷すると血小板が集まり、損傷部位に粘着し、血小板血栓を作ることで止血をする。

これを「一次止血」という。

一次止血で作られた血小板血栓をより強固なものにするため

血液凝固因子を活性化させ、フィブリンの網を作りフィブリン血栓を作ることで止血をする。

これを「二次止血」という。

血管が修復されると、フィブリン網は線溶系で分解される。

 

a. 一次止血

血管内皮細胞が損傷すると、細胞下組織のコラーゲンが露出し

そこにvon Willebrand因子(vWF)が結合する。

血小板はvWFに粘着し、コラーゲン受容体がコラーゲンを認識すると活性化する。

また、vWFに結合した血小板は、血流の流される力で形を歪まされるが

この「ずり応力」も血小板を刺激し活性化させる。

粘着した血小板は表面にしわをよせ偽足という突起をだし形態を変える。

この偽足は長い足のような形をして、周りの血小板とより強く粘着できるようになる。

活性化した血小板は形を変え、血小板内の顆粒を放出する。

脱顆粒により、周囲の血小板も二次的に活性化し、より強く粘着し血栓を作る。

血小板が活性化し脱顆粒するにはカルシウムチャンネルからのカルシウムイオンの流入が必要である。

 

b. 二次止血

一次止血の血小板凝集は不安定のため、これにフィブリン網を被せることで

フィブリン血栓を作り、止血を強化する。

血液凝固には血液凝固因子(第I~XIII)とリン脂質(細胞膜)とカルシウムイオンが関わる。

 

[内因系]

血管内の凝固因子だけで行われる。進行がゆっくりである。

血管内皮細胞が傷ついたことにより、血液がコラーゲンに接触すると

第XII因子を活性化し、次々と凝固因子を活性化しカスケード型反応がはじまる。

そして、活性化したIX因子はカルシウムイオン(第IV因子)と第VIII因子と

血管細胞膜のリン脂質と複合体を作り、第X因子を活性化させる。

活性化された第X因子はプロトロンビンをトロンビンにする。

トロンビンはフィブリノゲンを分解し、フィブリン(線維素)を作る。

フィブリンは網を作り、血小板の上に結合する。

 

[外因系]

破壊された組織成分からはじまる凝固。進行が速く、内因性より重要な凝固である。

外傷などにより、損傷した組織から組織因子(tissue factor:Tf 第III因子)が放出されると

第VII因子を活性化し、活性化した第VII因子とカルシウムイオン(第IV因子)と

血小板膜のリン脂質と複合体を作り、第X因子を活性化させる。

ここから先は、内因系と同じ反応。

カルシウムは血液凝固因子として関与する。

 

・鉄

 

食品の中に含まれる鉄はヘム鉄と非ヘム鉄があり、ヘム鉄のほうが吸収されやすい。

ヘム鉄は赤味の肉や魚、レバーなど動物性食品に多く含まれている。

非ヘム鉄はほうれん草、プルーン、大豆製品など植物性食品に多く含まれている。

非ヘム鉄には二価鉄(Fe2+)と三価鉄(Fe3+)があり

三価鉄はそのままでは吸収することが出来ないので、

ビタミンCにより二価鉄に還元されてから吸収される。

そのため、ビタミンCを同時に摂取すると鉄の吸収が良くなる。

また、鉄の吸収を妨げるものを摂取する場合は、少し時間を空けてから摂るようにする。

タンニン   緑茶 紅茶 コーヒー 鉄と結合すると水に溶けにくい鉄になるので

       吸収率が下がる。

       (麦茶、ウーロン茶、ほうじ茶は大丈夫)

食物繊維   海藻類 おから 大豆など 食物繊維が鉄を吸着して、吸収率を下げてしまうため

       摂りすぎには注意する。

フィチン酸塩 玄米 糠 ふすま 大豆 穀物の皮に含まれている。(発芽玄米は大丈夫)

       鉄と結合すると水に溶けにくい鉄になるので吸収率が下がる。

シュウ酸塩  ほうれん草 キャベツ レタス などに含まれるアクの成分。茹でれば大丈夫。

       野菜以外ではチョコレート ナッツ バナナなどで鉄と結合しやすく吸収を妨げる。

リン酸塩   加工食品 インスタント食品 炭酸飲料 スナック菓子 などに使われる

       乳化剤、防腐剤、安定剤など。

鉄の吸収は体内に貯蔵されている鉄が少ないと、吸収率が高くなり、多いと低くなる。

 

鉄の働き

①赤血球を作る

成人では、赤血球は骨髄で作られる。

骨髄中の造血幹細胞が分化し、成熟していく過程で鉄はヘモグロビン合成に不可欠である。

 

②酸素の運搬

体内の鉄の70%は赤血球の中にあるヘモグロビンの構成物質として存在し

肺で酸素と結合して各組織に運搬している。これを機能鉄という。

ヘモグロビンはヘムという赤い色素とグロビンという蛋白質からできている。

構造は4本の鎖状で1本の鎖にヘム分子1つが結合している。

鎖にはα鎖とβ鎖の2種類があり、各2本づつ集まった合計4本の4量体の蛋白質である。

ヘムに含まれる鉄が酸素と結合することで、酸素を運搬している。

ヘモグロビンは1つのヘムが酸素と結合するとその立体構造を変え

他のヘムも酸素と結合しやすくなる。

これをヘム間相互作用という。

そして、二酸化炭素が多く血液が酸性になっているところでは

水素イオンや二酸化炭素がへムのタンパク質と結合するので

ヘムの立体構造が変化し、へムは酸素を放す。

これをボーア効果という。

 

③筋肉中に酸素を蓄える

筋肉の中にはミオグロビンという色素蛋白質があり、酸素を貯蔵する働きがある。

体内の鉄の約5%はミオグロビンの中に存在し、ヘモグロビンから酸素を受け取る。

筋肉を動かすとエネルギーが必要になり、酸素を使う。そのときのために貯蔵しておく。

これも機能鉄とよばれる。

 

④貯蔵鉄

体内の鉄の約25%が肝臓や脾臓、骨髄に貯蔵鉄として蓄えられる。

小腸から吸収された鉄はトランスフェリンという輸送蛋白質に結合し血液中を運搬される。

骨髄に運ばれた血清鉄(血清中に含まれる鉄分)はヘモグロビンの形成に使われ

赤血球の寿命(120日)で破壊された赤血球中の鉄は

またヘモグロビン形成に使われるか、貯蔵鉄として蓄えられる。

フェリチンは細胞にある蛋白質で、トランスフェリンによって運ばれてくる鉄を

肝臓、脾臓、骨髄などに貯蔵し、血清中の鉄が不足した時は

トランスフェリンに鉄を供給し、多い時はトランスフェリンから鉄をもらい貯蔵する。

またフェリチンは鉄が過剰に吸収されても、細胞を傷つけないよう

形成される量が増加するので鉄の毒性を消すという働きもある。

フェリチンは血清中の鉄の増減をコントロールしている。

鉄欠乏性貧血はこのフェリチンから減少していく。

そして血清鉄が減少し、ヘモグロビンの減少となる。

貯蔵鉄が先に使われ、血清鉄を補うため貧血の症状は出にくいが

血清フェリチン量を測定すると、かくれ鉄欠乏性貧血(潜在的鉄欠乏性貧血)が診断できる。

 

⑤エネルギー代謝に関与

シトクロムcはミトコンドリア内に存在するヘム基を持つ蛋白質である。

シトクロムcは酸化還元機能を持ち、複合体から複合体に

電子を引き渡すことでプロトン輸送をする。

ヘムに結合した鉄イオンの変化により、電子を運ぶ。

ヘム鉄にはFe2+(還元型)とFe3+(酸化型)があり

これらが可逆的に変化することで電子伝達が行われる。

また、シトクロム酸化酵素(シトクロムcオキシターゼ)は別の蛋白質で

電子伝達系の最終段階においてシトクロムcから電子を酸素に渡す。

ATP生産に関与する。

 

⑥肝臓の解毒作用

シトクロムP450は活性部位にヘム基を持つ蛋白質である。

上記のミトコンドリア内のシトクロムcとは違うものである。

主に肝臓に存在し、薬物の代謝に関与している。

薬は水に溶けにくい状態の脂溶性になっており

体外に排出するためには水に溶けやすい水溶性にする必要がある。

シトクロムP450は薬の構造を変え、水溶性にし尿として体外に排出する働きがある。

 

・βカロテン

 

カロテンとは・・・

天然の植物や動物が持つ、黄、橙、赤色の脂溶性色素の総称をカロテノイドという。

そのうちの炭素と水素から成る化合物をカロテンといい

α-カロテン β-カロテン γ-カロテン リコピンなどがある。

動物は体内で合成することが出来ないため、植物から摂取する必要がある。

 

βカロテンは緑黄色野菜に多く含まれ

小腸粘膜上皮細胞でビタミンA(レチノール)に変換されるため、プロビタミンAという。

ビタミンAは脂質と一緒に小腸で胆汁酸にミセルという油の粒に変換され

小腸繊毛から吸収される。

その後、小腸上皮細胞内でエステル化され

カイロミクロン(脂肪を運搬する脂肪とタンパク質の複合体)に取り込まれ

リンパ管から肝臓へ送られる。

肝臓でレチノールエステルとして貯蔵されるが

末梢で必要な場合にレチノールに加水分解され

肝臓で合成されるレチノール結合蛋白質(retinol-binding protein)と結合し

標的の臓器に運ばれる。

 

①皮膚・粘膜の強化

皮膚は病原体や紫外線などから生体を守る最初の防御壁である。

皮膚は表皮と真皮からなり、皮膚表皮のバリア機能は2通りある。

角層バリア機能とタイトジャンクションバリア機能である。

 

角層バリア機能とは、ケラチノサイト(表皮角化細胞)が角化(分化)していく

過程で作られるバリア機能である。

表皮の一番下層では、ケラチノサイトが基底層で約2週間に一度細胞分裂し

1個は基底層に残り、もう1個はケラチンというタンパク質を形成しながら

有棘細胞→顆粒細胞と約4週間かけて一番上層の角質細胞になる。

ここで約2週間、皮膚を守り最終的には垢となって剥がれ落ちる。

顆粒層から角質層にかけては変化が激しく、この時に核や細胞内小器官が消えて

細胞内にケラチンパターンが形成され、生きた細胞から死んだ細胞になる。

この角化のスピードは速くても遅くても、皮膚にトラブルを引き起こす。

角化は複雑でその制御もまた、細かいシステムによってなされている。

ビタミンAはケラチノサイトの核内にある受容体に結合して、角化を抑制している。

 

タイトジャンクションバリア機能とは、ランゲルハンス細胞が顆粒層にあるバリアジャンクションと

連携して、皮膚に侵入してきた異物に対応するという機能である。

アトピー性皮膚炎、皮膚アレルギー、食物アレルギー、喘息などの予防や治療も可能になると

期待されている研究である。

 

粘膜上皮細胞は粘液で被われていて、病原体が侵入すると粘液はこれを洗い流し防御している。

粘膜や粘液の成分であるコンドロイチン硫酸はビタミンAがないと生成されない。

粘液中に分泌される分泌型IgA抗体は、侵入しようとする病原体に結合し、侵入を阻止する。

分泌型IgA抗体は、涙、唾液、尿などに多く分泌されている。

 

②抗酸化作用

βカロテンは体内で発生する活性酸素を消去する。

活性酸素には種類があり、それぞれに対応する抗酸化物質があり

反応する場所も別である。

βカロテンが消去する活性酸素はヒドロキシルラジカル、一重項酸素である。

一重項酸素は紫外線や放射線を浴びると発生する。

ビタミンCやビタミンEは一重項酸素には効果がない。

抗酸化には抗酸化ビタミンのビタミンC、ビタミンE、βカロテン

抗酸化酵素の亜鉛、鉄、銅、マンガン、セレニウム

抗酸化物質のコエンザイムQ10、フラボノイド、カロテノイド

などが相互に協力しあっているので、偏らないよう摂取するのが望ましい。

 

③免疫力アップ

腸管免疫

体内における免疫細胞の約50%~70%が腸管に存在する。

これは、腸管内が体の内部であり外部でもあることから

常に病原体の侵入に晒されているという点にある。

口、喉、食道、胃、小腸、大腸は摂取した食物を消化液や酵素で分解し

非自己であるということを消し、体内に吸収されることを許すが

この時に侵入してきた病原体は小腸の管腔面に接しているパイエル板

(リンパ小節でリンパ球が多く存在するところ)で非自己と認識され、攻撃の対象とされる。

パイエル板に存在するM細胞は侵入してきた病原体を捕まえて

下にいるマクロファージや樹状細胞に輸送する。

マクロファージや樹状細胞はこの病原体を貪食、分解し

その抗原の断片をヘルパーT細胞に提示する。

ヘルパーT細胞は、B細胞にIgA抗体を作るよう指令を出す。

活性化されたB細胞はパイエル板を出て腸間膜リンパ節などで増殖する。

増殖したB細胞はリンパに乗って流れ、血液循環し全身を巡る。

最後には、各組織の粘膜や腸管粘膜に戻って粘膜固有層で形質細胞に変化して

IgA抗体を分泌する。

ビタミンAはこのIgA抗体を亢進する。

 

④視覚の調整

光は角膜、瞳孔、水晶体、硝子体を通過し、眼底にある網膜で受容される。

網膜には光受容に特化した視細胞があり、明暗を認識する桿体細胞と色を感じる錐体細胞である。

桿体細胞には視物質と呼ばれるタンパク質、ロドプシンが含まれている。

ロドプシンはビタミンA(レチナール)とオプシン(タンパク質)が結合してできている。

レチナールが不足すると、鳥目といわれる夜盲症になる。

 

・ビタミンE

 

脂溶性のビタミンで天然のものではトコフェロールとトコトリエノールに分けられ

それぞれ、α-、β-、γ-、δ-の4種類がある。

このうち、生物活性が一番高いのはα-トコフェロールで

ビタミンEというとトコフェロールの事を指す。

ビタミンEは体内で、胆汁酸によりミセル(親水性の小さな粒)化され小腸から吸収される。

小腸上皮細胞から吸収されたビタミンEは、カイロミクロンとなり

リンパ管を通り、肝臓へ運ばれる。

肝臓ではトコフェロール結合タンパク質と結合して

超低密度リポタンパク質(VLDL)に取り込まれ、末梢の組織に輸送される。

 

①抗酸化作用

細胞膜を形成している不飽和脂肪酸(善玉)は活性酸素により酸化されやすい。

細胞膜が酸化されると、細胞内が傷つき老化が進み、癌細胞を作る。

ビタミンEは細胞膜に多く分布し、活性酸素に電子を渡し、自身が酸化されることで

不飽和脂肪酸が過酸化脂質になることを防ぐ。

ビタミンEラジカルとなったビタミンEはビタミンCから電子を貰うことで

またビタミンEとしての働きが出来る。

ビタミンCはビタミンCラジカルとなり、水溶性なので分解され尿として排出される。

こうしたことから、ビタミンEとビタミンCは一緒に摂取するとよい。

 

②血行促進

コレステロールは善玉コレステロール(HDL)と悪玉コレステロール(LDL)があるが

脂肪などの過剰摂取でLDLが増えると、活性酸素により酸化され酸化LDL=過酸化脂質が作られる。

酸化したLDLはマクロファージが貪食するが、処理しきれなくなるとマクロファージ内に溜まった

泡沫状の脂肪が泡沫細胞となり、粥状動脈硬化となって血管壁を厚くする。

ビタミンEはLDLの酸化を防ぎ、動脈硬化の予防をする。

また、ビタミンEは赤血球の細胞膜にも存在し、酸化を防ぐ。

血液は血球(赤血球、白血球、血小板)という細胞成分と血漿という液体成分からできている。

毛細血管は非常に細いため、赤血球は形を変形させて血管内をスムーズに通過し

末端まで循環させている。

このため赤血球の変形態維持は非常に重要で、ビタミンEは赤血球の細胞膜の酸化を防ぎ

細胞膜を柔らかく保つことで血行を良くしている。

こうしたことから、肩こり、頭痛、冷え性などの血行不良に良いと言われている。

 

③ホルモンバランスを整える

性ホルモンの分泌は、脳の視床下部が司令を出すことで分泌される。

視床下部がゴナドトロビン放出ホルモンを分泌し、下垂体を刺激することで

下垂体からゴナドトロビン(性腺刺激ホルモン)が分泌させる。

性腺刺激ホルモンには卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)がある。

卵胞刺激ホルモンは卵巣内の卵胞を成熟させ、黄体化ホルモンは成熟した卵胞の排卵を促進させる。

卵胞は成熟するとエストロゲン(卵胞ホルモン)を放出し

排卵後に黄体となりプロゲステロン(黄体ホルモン)を放出する。

エストロゲンは卵子が受精した時に備えて子宮内膜を厚くする。

プロゲステロンは受精卵が子宮内膜に着床し、妊娠が継続するよう子宮内膜を柔らかくする。

妊娠しなかった場合は子宮内膜を排出する。

子宮内膜が排出されるとは月経が起こることで、血液中にこの2つのホルモン量が

減少していることが、視床下部に伝わると視床下部は、ゴナドトロビン放出ホルモンを

分泌させて下垂体を刺激し、ゴナドトロビンの放出を促す。

しかし、ビタミンEは下垂体や副腎などホルモン分泌臓器に多く存在していて

これが不足すると下垂体からのホルモン分泌機能が低下する。

すると、視床下部が指令を出してもホルモン量が増えず、指令を出し続け、混乱状態になる。

視床下部は自律神経のコントロールもしているので、自律神経の乱れも生じる。

ホルモンバランスが悪いことは、自律神経が乱れる原因の1つである。

 

 

 

大根は根と葉で栄養素が違い、両方食べると多くの成分が摂取できる

優れた食材です。

食材の特徴を知って、効率よく栄養を吸収したいと思う次第であります。

 

 

2015年1月15日 6:01 pm

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