前回の続きで、温熱による血管への影響です。
今回は、鎮痛を主にお送りします。
前回のブログで出てきた、ポリモーダル受容器。
これは、色々な刺激(触・圧・痛・温・冷・音・臭など)
を受容する感覚受容器ですが
刺激に応じて他へ働きかける効果器でもあります。
(他には筋肉なども効果器です)
温熱の刺激を受容し、軸索反射で神経ペプチドを放出。
その神経ペプチドが、血管を拡張、血管透過性を亢進し
血流量増加となりますが
この神経ペプチドは
・肥満細胞 → ヒスタミン放出
・マクロファージ → 食作用
・好中球 → 走化性
・Tリンパ球 → 増殖
・線維芽細胞 → 増殖
・内臓平滑筋 → 活動調整
の作用もあり、一連の炎症反応が末端組織で惹起されます。
炎症は傷を治すための1つの過程です。
以前ブログで「創傷治癒」について書きましたので
よかったら、そちらもみてください。
このように血流の増加は、局所の炎症性物質の排出を高め
鎮痛、消炎、浮腫抑制効果があります。
温熱は、痙縮を抑制するため筋緊張は低下し
関節拘縮に伴う疼痛発生を予防します。
疼痛に伴う拘縮は、靭帯・腱・関節包などの
関節を構成しているものを短縮させる可能性があり、
これを招く前に、温熱の鎮痛効果で予防します。
痙縮は、筋肉の緊張が強すぎて手足が動かしにくい、
曲がったままになってしまう状態で、
脳卒中でみられる運動障害です。
拘縮は、関節包や筋、神経、血管、皮膚などに
原因があって関節運動が制限されることです。
筋肉の過労や疼痛の防御反応による緊張性筋収縮に対して
筋緊張を緩和し、鎮痛作用を発揮する温水の温熱作用は
38℃~42℃で、45℃以上になると痛みとして感じるようになります。
今回は、温熱刺激による疼痛緩和についてでした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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