前回の続きで、温熱の効果についてです。
今回は、結合組織の反応です。
◆結合組織とは
細胞以外のもの、細胞と細胞の間を埋めるものになります。
皮膚、軟骨、筋膜、腱、靭帯、骨、歯などを形成しています。
具体的には、膠原繊維(コラーゲン)や弾性繊維(エラスチン)などです。
とくに、コラーゲンは体の中に最も多くあるタンパク質で、
臓器の支持や補強、結合などの機能をもち、
筋を包む筋膜としても重要な役割を果たしています。
弾力性に乏しいという特徴があり、長期間の固定や加齢で
コラーゲンの増殖やコラーゲン線維が太くなり
関節の動きを制限する原因となります。
また、コラーゲンは筋の過収縮などにより筋細胞が破壊された場合や
加齢に伴う細胞数の減少による空間が形成された場合にも増殖します。
これらの結果、結合組織の伸展性、弾力性はさらに低下します。
◆結合組織の反応
温熱により体の柔軟性が高まりますが、
これは結合組織の主要構成成分であるコラーゲン線維の
伸張性が高まったためと考えられます。
腱にはコラーゲンが密に存在し、伸張性が乏しい組織です。
ストレッチングを行う前に、温熱療法を行うと
ストレッチング後に組織の延長が可能で、
延長を達成するのに必要な力が少なくて済みます。
また、断裂の危険性も減ります。
持続的ストレッチングを行う前に、腱、靭帯、瘢痕組織、関節包
などのようなコラーゲン軟部組織に温熱を実施すると
塑性変形(元に戻らない変形)が得られ組織が延長し、
冷却後もその延長がほとんどそのまま維持されます。
これは線維の編成の変化、およびそれら線維自体の粘弾性の変化
によるものとされています。
また、温熱療法はストレッチ時の疼痛閾値を高めるとともに
筋粘性の低下が期待でき、ストレッチング効果を高めます。
今回は、温浴と柔軟性についてお送りしたしました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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