しばらくぶりにいらした60代の患者さん。
2か月前に肺炎にかかってしまい、治療をしていたそうで
まだ夜は咳が出て、体調は万全ではないとのこと。
首から肩、背中と広い範囲で痛い感じがするそうだが、局所的ではない。
色々お話を伺っていると、肋骨も痛いような気がするとのこと。
長引く咳で、呼吸に作動する筋肉が疲労しているようだ。
咳も呼吸の激しいものなので、呼吸筋をリリースしていきます。
呼吸は簡単に言うと、肋骨を引き上げたり、下げたりする筋肉を使う動作なので
肋骨に付着している筋肉の緊張があれば、緩めるということになります。
息を吸うときに使う筋肉(肋骨を挙上する筋肉)→吸気筋群
外肋間筋、胸肋筋、横隔膜、胸鎖乳突筋、斜角筋群、大胸筋、小胸筋、前鋸筋、広背筋などがあります。
そして、息を吐くときに使う筋肉(肋骨と胸郭を下制する筋肉)→呼気筋群
内肋間筋、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、他にも腸肋筋の下部線維、最長筋、後下鋸筋などがあります。
これらを丁寧に診ていき、体をリラックスさせ、内臓もアプローチしていきます。
今回は肺です。
横隔膜も一緒に診ていきます。
これだけでは不足なので、筋膜のつながりを使い、腕からもアプローチしました。
一か月後、前回の施術の後、体が楽になったというお言葉をいただきました。
咳ももう治まっているそうです。
今まで、月に一度のメンテナンスできていただき、その中で伺っていた病歴や日常の何気ない話などから、なぜ咳が長引いてしまったのかなどを考えアプローチすることで、体全体を整えるようにしました。
患者さんとの日々のコミュニケーションを積み重ねていくことは、とても重要なことであると感じます。