前足根管症候群は絞扼性神経障害で、深腓骨神経が障害されることで起こります。
□特徴
足の母趾と第2趾の間だけがしびれる、感覚が鈍くなる、痛むといった特徴があります。
正座のあとのようなピリピリとした感じがいつも感じられます。
□解剖
深腓骨神経は、坐骨神経が枝分かれしながら足の方へ伸びてきた神経です。
支配する領域によって名前が変わり、坐骨神経→総腓骨神経→深腓骨神経となっています。
深腓骨神経は下腿の前面を足首の前まで下りて母趾と示指の間を支配します。
□障害されやすい部位
足首には下伸筋支帯というバンドのような部位があります。
これは足の前面の筋肉や腱が足の骨から浮き上がらないよう押さえる役割をしていて、筋膜が厚くなったものです。
この下を深腓骨神経は走行するので、ここで圧迫を受けやすいと言われています。
□原因
靴ひもや靴のバンドなどによる深腓骨神経の圧迫により発症すると考えられています。
□当院の対応
実際は気が付かないうちに深腓骨神経を圧迫してしまうこともあり、しばらくたって足のしびれに気が付くようなこともあります。
そのような場合、思い当たる節もないわけで、正座の後のようなしびれが足にいつまでも残っているだけですから、はじめは気にならないかもしれません。
しかし、数日たっても続くことでおかしいなと感じるようでしたら、深腓骨神経麻痺かもしれません。
深腓骨神経麻痺が疑われたら、神経の走行を調べ、圧迫箇所を探します。
圧迫されているであろう部位の開放を行い、次の段階に進みます。
深腓骨神経は坐骨神経が枝分かれしてきた神経ですので、その支配する範囲である骨盤から大腿部もカバーしていきます。
必要であれば、体幹や頭頚部まで施術します。
これは、たとえば足のむくみで、靴内での圧迫を受ける可能性も考えてのことです。
その他にも考えられることは、消去するよう施術していきます。
足のしびれは糖尿病など疾患によるものもあり、しびれる部位により対応が変わります。
神経にダメージを与えないよう、早めにケアされるといいと思います。
:参考文献:
四肢と脊柱の診かた 人体解剖カラーアトラス 基礎運動学 筋骨格系のオステオパシー