眼精疲労の特徴・症状
一般には疲れないような作業でも、すぐに眼が疲れたり、痛くなったりして、目がかすむ、光がまぶしいなどと感じる。
眼の症状の他に、肩こりや吐き気、頭痛といった症状も現れる。
こういったものが、一時的ではない場合を眼精疲労という。
眼精疲労の原因
□調節性眼精疲労
眼に入ってきた光は角膜や水晶体によって屈折され、網膜に像を結びます。
遠くを見たり、近くを見たりするときに、これらがうまく調節されないと、網膜に像をはっきりと結べません。
この状態が近視・遠視・乱視で屈折異常となります。
物がはっきりと見えない状態でいると、眼にストレスがかかり眼精疲労を起こします。
□筋性眼精疲労
眼を動かす筋肉に異常がある場合。斜視や斜位・眼筋麻痺などで起こります。
斜視は両眼の視線が真っ直ぐにならず、片方の眼の位置がずれてしまい、両眼でみたものを脳で一つにまとめられないため、場合によって物が2つに見えてしまうこともあり、眼が疲れます。
斜位は両眼を開いて物を見ている時は視線は合っているものの、もともと眼の位置がずれてしまっているので集中していないと視線がばらばらになってしまうので、眼精疲労を起こします。
眼筋麻痺は、眼球運動を司る神経が障害されることで起こります。
斜視や物が2つにだぶって見えてしまう複視があります。
原因はさまざまで脳梗塞など脳の病気によっても眼筋麻痺が起こる場合があります。
□症候性眼精疲労
緑内障の初期、白内障、ドライアイ、角膜炎、結膜炎など眼の疾患により起こる眼の疲れです。
□不等像性眼精疲労
左右の眼で見た像の大きさや形が異なって網膜にうつるため、脳で像を1つにするのが困難でそのために起こる眼精疲労です。
□神経性眼精疲労
眼に異常はなく、精神的疲労や全身の衰弱で起こる眼の疲れです。
眼のピントを合わせるのは自律神経の働きで、ストレスなどで自律神経のバランスが崩れるとピント調整が悪くなり眼が疲れます。
眼精疲労の方へ
眼精疲労といっても様々な要因で起こり、また原因は1つではなかったりします。
眼だけを酷使して生活しているわけではないので、今の環境や習慣などからも考慮していかなければ良くならないと思います。
他に随伴症状として、頭痛や胃腸障害などがあるかもしれません。
不眠症であったり、倦怠感があったりするかもしれません。
眼の疲れで精神的ストレスが高まらないように、眼だけではなく身体全体の流れが滞っているところを回復させ、自律神経の働きを整えることも眼精疲労の改善につながると思います。
参考文献
系統看護学講座(眼) 大学課程の生理学(南江堂) からだの見方(ちくま文庫)