顎関節症は、物を噛む、口を開ける、顎を左右または前後に動かす
などの顎を動かす動作で、耳の少し前あたりに痛みを感じます。
口を開けるとき、クリック音がすることもあります。
歯科領域に関するものに加えて
筋肉や骨格の問題も大きく関与しています。
○顎を動かす咀嚼筋
咀嚼には主に、側頭筋と咬筋(こうきん)いう筋肉を使います。
これらは咀嚼筋といいます。
側頭筋はこめかみの辺りから、ほお骨の下を通って
顎関節の前の方に付着しています。
咬筋は、ほお骨からエラに付着しています。
どちらの筋肉も、物を噛む、奥歯を噛み締めるときに使います。
分かりやすい筋肉なので
こめかみの辺りやえらの辺りに手を当て
奥歯をぐっと噛み締めると、硬くなるのが分かります。
これらの筋肉に問題があると
顎関節がうまく使えなくなり、痛みが生じます。
また、硬くなった筋肉が頭蓋骨を引っ張り
顔をゆがませ、姿勢にも影響がでます。
その結果、肩こりや頭痛を伴うこともあります。
夜間痛で睡眠を妨げることもあります。

○顎関節症になりやすい習慣
日頃から、頬杖をついたり、スマホをよく使われる方は注意が必要です。
寝てる間の歯ぎしりは、自覚するのが難しいため
朝起きて、顎が痛い、顎がだるいなど
顎が疲れている場合は、歯ぎしりしている可能性があります。
歯は口を閉じていても、上下がくっついていない状態が正常ですが
なにかの動作中に、噛み締めるクセがあると
側頭筋と咬筋に力が入り、顎関節に負担がかかります。
その他には、寝転んでお菓子を食べたり
横を向いてテレビを見ながら食事をするのもよくありません。
食べるとき顔をまっすぐ向けるよう注意しましょう。
○顎関節症の方へ
顎関節症にも色々なタイプがあります。
関節円板損傷や顎関節の変形
顎関節脱臼(これらは口腔外科です)がなければ
筋肉や骨格の問題であることが多いです。
顎や頭の筋肉も硬くなれば
関節に負担がかかるのは他の場所と同じです。
同じようように、筋肉や骨格を施術して
顎関節の可動域や痛みを改善していきます。
側頭筋はこめかみにありますので
片頭痛を起こす可能性もあります。
ストレスを感じると無意識に奥歯を噛み締め
顎関節に痛みを起こしたり、片頭痛を起こしたりすることもあります。
身体の緊張をほぐし、力を抜くことも
歯をくっつけさせないことになりますので
顎関節のダメージを軽減させることになります。
表情筋と異なり、咀嚼筋は力強く働く筋肉ですので
ストレッチや運動が大事です。
施術以外にも日常で気を付けていただくことを
ご提案させていただきます。