起始 長頭:肩甲骨関節下結節
外側頭:上腕骨後面および外側上腕筋間中隔
内側頭:上腕骨後面および内側上腕筋間中隔
停止 尺骨肘頭
神経 橈骨神経 C6~8
作用 肘関節の伸展
血管 後上腕回旋動脈 上腕深動脈 尺側側副動脈
筋連結 大円筋 肩甲下筋 広背筋 大胸筋 肘筋 烏口腕筋 上腕筋
(肩関節包を介して)大胸筋 小胸筋 棘上筋 棘下筋 小円筋 肩甲下筋 上腕二頭筋
(中関節包を介して)上腕筋 肘筋 総指伸筋 短橈側手根伸筋 尺側手根伸筋
短母指伸筋 回外筋 浅指屈筋
□軟部組織の触診
長頭は肩甲上腕関節と肘関節にまたがる2関節筋である。
触診を容易にするために、杖や松葉杖により体重を支持するように、患者をテーブルまたは机に寄りかからせる。
そうすれば、上腕三頭筋は松葉杖歩行の際、欠くことのできない筋であるから、上腕の後面に明確に突出してくる。
上腕三頭筋長頭は上腕の後内側の皮下にある。
長頭の起始部に向かう走行に沿って触診する。
続いて外側頭と共通の筋腹を形成する部位まで戻る。
外側頭は上腕の後外側面にあり、長頭と同じ方法で触診する。
内側頭は長頭の下にあるが、長頭の下になるところまで上腕骨の遠位端の内面ではっきり触診できる。
遠位部で広がる上腕三頭筋腱膜は、幅が広く薄く、肘頭近位端でのみ触診される。
その走行に外傷による2次的な損傷や疼痛があるか検査しなければならない。
□筋力テスト
【伸展】
主動伸筋→上腕三頭筋 橈骨神経 C7
補助筋→肘筋
検者は患者の前に立ち、検者の一方の手で患者の肘関節近位部後方を包み込むようにして上腕を固定する。
検者の抵抗を加える手を患者の前腕手掌側にあて前腕近位部を握る。
患者に屈曲位からゆっくりと肘関節を伸展させる。
約90度の屈曲位に達する前に抵抗を増し、患者の最大抵抗力を調べる。
抵抗力は一定に確実にかける。
急激な抵抗や押し戻すような抵抗は評価を不正確にしやすい。
□反射テスト
【上腕三頭筋反射 C7】
上腕三頭筋は橈骨神経に支配されている。
その反射はC7の機能が主である。
患者の前腕を検者の反対側の前腕にのせる。
患者の腕がリラックスしたら(検者は上腕三頭筋の弛緩を感じる)ハンマーの先の狭い方で肘頭窩にある上腕三頭筋腱を叩打する。
反射は目で見られ、またわずかの収縮を検者の前腕に感じることもできる。
□TP
関連痛パターン:腕背面 内側および外側果 指
TP:上腕背面の筋腹
筋の急激な過度伸張、スポーツ活動、重い物の持ち上げ動作などで損傷する。
外側頭の緊張で橈骨神経に圧迫症状が出ることもある。