起始 仙骨前面 第2~4前仙骨孔外側 大坐骨切痕の縁
停止 大転子上部内側
支配神経 仙骨神経叢
髄節 L5~S2
栄養血管 上殿動脈 下殿動脈 外側仙骨動脈
作用 股関節外旋 (わずかに外転)
速筋:遅筋(%) 50.0:50.0
筋連結 大殿筋 中殿筋 小殿筋 上双子筋
深層外旋六筋 梨状筋 上双子筋 下双子筋 外閉鎖筋 内閉鎖筋 大腿方形筋
特徴 股関節60度以上屈曲で内旋作用に
股関節を強力に引き付けている
梨状筋のポジション
大転子とPSISを直線で結ぶ
大転子と尾骨端を直線で結ぶ
PISIと尾骨端を直線で結ぶ
この三角形を指標とし、梨状筋と坐骨神経の位置を確認する
ポイント
①梨状筋TPの関連痛
②梨状筋の坐骨神経絞扼による神経症状
③仙腸関節
◆梨状筋のトリガーポイント
疼痛部位・・・仙腸関節 大転子後面臀部 大腿後面
※梨状筋TPによる関連痛の痛みは下肢までは及ばないことが多い。
下肢痛がある場合は小殿筋TPを探る。
◆梨状筋症候群
梨状筋を走行する坐骨神経には、いくつかのタイプがある。
約90%が1のタイプ。総腓骨神経と脛骨神経が梨状筋の下を通過。
約7%が2のタイプ。総腓骨神経が梨状筋を貫通し、脛骨神経が梨状筋の下を通過。
約2%が3のタイプ。総腓骨筋神経が梨状筋の上を通過し、脛骨神経が梨状筋の下を通過。
約1%が4のタイプ。総腓骨筋神経と脛骨神経が梨状筋を貫通。
絞扼を受けやすいのは2や4の貫通しているタイプ。
少数派ではあるが、可能性を考える。
もっと解剖
梨状筋は大坐骨孔を梨状筋上孔と梨状筋下孔に分ける。
梨状筋上孔→上殿神経・上殿動静脈
上殿神経は第4と第5腰神経、第1仙骨神経から起こる仙骨神経叢の枝。
梨状筋上孔を出て中殿筋の深層部へいく前で大殿筋に筋枝を出す。
(大殿筋起始部の腸骨稜と仙骨起始部)
大殿筋に筋枝を出した後、中殿筋、小殿筋の間を通ってそれぞれに筋枝を出し
大腿膜張筋に終わる。
大腿膜張筋の枝が一部本筋から筋膜へと貫通している。
梨状筋下孔→坐骨神経(脛骨神経・総腓骨神経)大腿方形筋の支配神経・後大腿皮神経
下殿神経・下殿動静脈・内閉鎖筋への支配神経・内陰部動静脈・ 陰部神経
大腿方形筋の支配神経は内閉鎖筋の深層にあり、坐骨神経をずらすと現れる。
大腿方形筋、下双子筋、股関節に枝を出す。
後大腿皮神経の、支配領域は大腿後面と膝後面。枝に下殿皮神経・会陰枝がある。
下殿神経と下殿動静脈は骨盤外に出て、大殿筋に分布。
内閉鎖筋による絞扼を考慮する。
内陰部動静脈と陰部神経は、坐骨棘のすぐ上で骨盤外に出て、坐骨棘を廻り
小坐骨孔をから再度骨盤内に入り坐骨直腸窩に達する。
主に腸の終末部、外陰部・会陰部を支配。
坐骨神経は総腓骨神経と脛骨神経に分かれる。
総腓骨神経は浅・深腓骨神経に分かれる。
浅腓骨神経支配→筋枝:長腓骨筋 短腓骨筋
皮枝:足背
深腓骨神経支配→筋枝:前脛骨筋 長母指伸筋 長趾伸筋 第三腓骨筋
短母指伸筋 短趾伸筋
皮枝:第1、2趾の間の皮膚
脛骨神経支配→筋枝:大腿二頭筋(長頭) 腓腹筋 ヒラメ筋 足底筋 膝窩筋
長趾屈筋 長母指屈筋 後脛骨筋
皮枝:内側腓腹皮神経 腓腹神経
臀部、背下部、大腿後面、下腿に鈍い痛みや知覚異常。
SLRテストは陰性。
神経根を圧迫しているのではないので、筋力低下はなし、腱反射は正常。
陰部神経(S2~4)絞扼は、直腸肛門痛、括約筋不全、排便障害、腹部痛
仙骨痛、尾骨痛を引き起こす場合がある。
◆仙腸関節
梨状筋が短縮・収縮している場合→PI Posterior仙骨
梨状筋が伸張されている場合→AS Anterior仙骨
となりやすい。
梨状筋の状態により、アプローチが異なる。
短縮→柔軟性 伸張→拮抗筋の柔軟性・筋力増加
骨盤前傾型 股関節屈曲筋、股関節内旋筋の短縮を解除する。
骨盤後傾型 股関節伸展筋、股関節外旋筋の短縮を解除する。
多くは原因が1つではなく、これらが混同している場合が多い。
梨状筋の疼痛を誘発する動作
重い荷物を持ち上げる時にがに股で踏ん張る。
急に股関節を捻じる。重心をかけた状態で股関節をひねる。
バスケ、サッカー、テニス(股関節を急速に方向転換させる)
ランニング(股関節の長時間の伸展と屈曲)