横突棘筋・・・半棘筋・多裂筋・回旋筋
横突起から上位の棘突起に付着。鱗のように連なっている。
表層は筋束が長く、深層にいくほど筋束が短い(半棘筋→多裂筋→回旋筋)。
半棘筋(Semispinalis)
三層・・・(外側)頭半棘筋→頚半棘筋→胸半棘筋(内側)
5個以上、6~7個の椎骨をまたぐ。腰部にはない。
・頭半棘筋 (Semispinalis capitis muscle)
起始 C7 T1~6の横突起 C4~6関節突起
停止 後頭骨 上下項線の間
作用 頸椎の伸展・側屈(同側)・回旋(反対側)
神経 脊髄神経後枝
髄節 C1~6
動脈 後肋間動脈の筋枝・後頭動脈の下行枝・肋頚動脈の深頚枝
速筋:遅筋(%) 55.0:45.0
・頚半棘筋(Semispinalis cervicis muscle)
起始 T1~6の横突起 C4~7の関節突起
停止 C2~5の棘突起
作用 頸椎・胸椎の伸展・側屈(同側)・回旋(反対側)
神経 脊髄神経後枝
髄節 C5~7
動脈 後肋間動脈の筋枝・後頭動脈の下行枝・肋頸動脈の深頚枝
速筋:遅筋(%) 55.0:45.0
・胸半棘筋(Semispinalis thoracis muscle)
起始 T6~12の横突起
停止 C6~T4の棘突起
作用 胸椎の伸展・側屈(同側)・回旋(反対側)
神経 脊髄神経後肢
髄節 T1~6
動脈 後肋間動脈の筋枝・後頭動脈の下行枝・肋頚動脈の深頚枝
速筋:遅筋(%) 55.0:45.0
多裂筋(Multifidus)
半棘筋の浅層に、回旋筋の深層に存在する。
頸部~骨盤まで付着。
頚多裂筋(Multifidus cervicis muscle) 胸多裂筋(Multifidus thoracis muscle)
腰多裂筋(Multifidus lumborum muscle)。
表層は線維が長く、椎骨を3~5個またぐ。腰部に見られる。
仙腸関節、腰仙関節の安定を保つ。
深層は線維が短く、椎骨を2個またぐ。脊柱の安定を保つ。
起始 仙骨背面 後仙腸靭帯 C4~7の関節突起 T1~12胸椎横突起 L1~5の乳頭突起
領域:S4~C4
停止 起始部より1~2個上位の椎骨の棘突起
領域:L5~C2
作用 脊柱の伸展・回旋(反対側)・側屈(同側)
神経 脊髄神経後枝内側枝
髄節 C3~S3
動脈 後肋間動脈・腰動脈の内側枝・肋頚動脈の深頚枝
筋連結 最長筋 腸肋筋 大殿筋 回旋筋 棘筋
反射性抑制→筋委縮→慢性腰痛
慢性腰痛患者の多裂筋筋断面は減少していることが多い。
腰椎椎間板ヘルニア患者は多裂筋が脂肪変性していることがある。
腰痛が消滅しても多裂筋は鍛えないと回復しない。
多裂筋はタイプⅠ繊維の割合が多い。
予測的姿勢制御→コア・スタビリティ(体幹下部を支持・ショックの吸収)
回旋筋(Rotatores)
脊柱の筋肉では最も深層部に位置。
短回旋筋・長回旋筋
頚回旋筋(Rotatores cervicis muscles) 胸回旋筋(Rotatores thoracis muscles)
腰回旋筋(Rotatores lumborum muscles)とも分類される。
・短回旋筋(Rotator brevis)
起始 環椎以外の椎骨の横突起
停止 1つ上位の椎弓板(横突起基部)
作用 脊柱の回旋(反対側)・脊柱の伸展補助
神経 脊髄神経後枝の内側枝
髄節 C3~S3(不定)
・長回旋筋(Rotator longus)
起始 環椎以外の椎骨の横突起
停止 2つ上位の椎弓板(横突起基部)
作用 脊柱の回旋(反対側)・脊柱の伸展補助
神経 脊髄神経後枝の内側枝
髄節 C3~S3(不定)
筋紡錘の数が多い(多裂筋の4.5~7.3倍)
→運動知覚に積極的に関与していると考えられる。