WHOLE HARMONY ホールハーモニー上大岡カイロプラクティック

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神経系【脳】 Nervous system 5

◆ C. 中心管と脳室系 ◆

 

脳と脊髄ははじめ、神経管という一本の管から発生してくるものであって、管の上端部だけが特別に分化発達して脳をつくり、脊髄は比較的原型に近くと止まったものである。

ゆえに脳の内部にある脳室系は本来、脊髄中心管の続きであって、脳の発達とともに所々に膨大部をつくり、側脳室 Lateral ventricles、第3脳室 Third ventricle、第4脳室 Fourth ventricleの別を生じたものである。

側脳室は左右一対あり、両者は室間孔 Interventricular foramenによって第3脳室と連絡している。

したがって第3脳室は前方から数えて3番目の脳室であり、これと中脳水道 Cerebral aqueductで交通している第4脳室は4番目の脳室にあたるわけである。

これらの連絡が絶たれると、水頭症を起こす。

 

脊髄の中心管は脊髄円錐下端の中でやや太くなって、終室をつくっているが、その他のところはほとんど同じ太さである。

その径は0.1~0.2㎜で、肉眼では認めにくいほどであり、正常状態でも二次的に管が閉鎖しているところが多い。

 

脊髄では中心管を取り巻く実質の厚さは脊髄の高さによって、あまり大きな差異を示さないが、脳では一方に橋・小脳・大脳脚・視床・線条体などのような肥厚部がみられるのに対して、他方では各脳室壁の一部は極めて薄くなって脈絡組織をつくっている。

脈絡組織は組織学的には上皮性脈絡板と軟膜の2層からなっている。

上皮性脈絡板は本来、脳壁に相当するものであるが、立方上皮細胞の単層からなり、神経機能は全くいとまない。

各脈絡組織には左右一条ずつの血管叢が進入しており、上皮性脈絡板はこの血管のわなを一々包んでいるので、ちょうど腸の絨毛のような構造になっている。

このようなものを脈絡叢 Choroid plexusという。

脈絡叢は脳脊髄液の分泌を行う場所である。

 

◆ D. 脊髄と脳の被膜 ◆

 

脳と脊髄は次の3層の結合組織の被膜で包まれている。

これらの被膜を総称して髄膜 Meningesといい、脳膜と脊髄膜とは大後頭孔のところで続いている。

 

⒈ 硬膜 Dura mater

 

最外層をなす非常に強靭な被膜で、本来内外2葉からなっている。

内葉は狭義の真正の硬膜であり、外葉は脊柱管および頭蓋腔の内面を裏づける骨膜である。

 

脊髄硬膜は骨膜と狭義の硬膜との区別がはっきりしていて、両葉の間は脂肪組織と静脈叢で充たされている。

それで椎弓を切り取って脊柱管を開くと外葉は骨と一緒に取り去られるから、脊髄と脊髄神経根をさやのように包む内葉がすぐにみえてくる。

そのため通常、脊髄硬膜といえばこの内葉だけを意味することが多い。

 

脳硬膜もまた内外2葉からなるが、両者の関係は脊髄硬膜におけるよりもずっと緊密で、静脈洞のある場所を除いては、両葉がかたく癒着していて一枚の厚い膜となっている。

外葉は頭蓋腔面の骨膜であるが、頭蓋冠の内側とは比較的ゆるく結びついているので、たやすく引きはがすことができる。

内葉は所々で頭蓋腔に向かってひだをつくり、脳実質の支柱をなしている。

ひだには次の3種がある。

 

①大脳鎌 Falx cerebri

頭蓋腔の正中面上で矢状溝から垂れ下がった隔膜で、鎌のような形をしているのでこの名がある。

大脳縦裂の中に進入して、左右の大脳半球を隔てている。

 

②小脳テント Tentorium cerebelli

後頭骨の横溝と側頭骨錐体の上稜とから起こり、ほぼ水平の方向に張っている隔膜で、大脳鎌と直交している。

大脳横裂の中に進入して、大脳と小脳とを境している。

 

③小脳鎌 Falx cerebelli

大脳鎌の下に続くごく小さい隔膜で、小脳の左右両半球を境している。

大脳鎌のような1枚のひだではなくて、2枚の隔膜が並んで走っていることが多い。

 

以上の4個の隔膜、すなわち正中面上にある大脳鎌と小脳鎌および左右へ翼のように張っている小脳テントは、内後頭隆起から前の方に走る水平線上で交わっており、この交線の中を直静脈洞が走っている。

 

⒉ クモ膜 Arachnoid

 

硬膜の内面にある柔らかい膜で、軟膜に向かって網状に無数の結合組織線維束の突起を出して、これと連絡している。

クモ膜には血管がない。

脳のクモ膜は所々に粟粒ないし、小麦粒大の突起をつくって、硬膜静脈洞の中に突出している。

これをクモ膜顆粒といい、中には硬膜を押し出して骨の中にまで入り込んでいるものがある。

脳脊髄液が静脈洞へ流れだす落口である。

 

⒊ 軟膜 Pia mater

 

最内層をなす柔らかい膜で、脊髄と脳の表面に密着している。

 

硬膜とクモ膜との間の結合はゆるやかで、ここに硬膜下腔というリンパ隙がある。

クモ膜と軟膜とは組織学的には一続きのものであって、両者の間に境界はない。

ことに脳の回転のように表面に突出している部では、両者が互いに接近して一枚の膜になっている。

ところが溝その他の陥凹部では、軟膜はどこまでも脳や脊髄の表面に沿っているのに対し、クモ膜はこういう陥凹部をすべて橋渡しにまたいでいる。

それで軟膜とクモ膜とを識別するにはこのような場所を選ぶがよい。

クモ膜の結合組織線維束の間には広いリンパ隙があり、これをクモ膜下腔と呼ぶ。

クモ膜下腔の中のリンパは脳脊髄液の一部である。

クモ膜下腔は第4脳室の背部で3個の孔(正中口と外側口)によって第4脳室と交通している。

 

・クモ膜下槽

クモ膜は脳や脊髄の表面の陥凹部をまたいで走っているから、場所によってはクモ膜下腔が非常に広くなっている。

このような場所をクモ膜下槽という。

その主なものは、小脳と延髄背側面との間にある小脳延髄槽、大脳外側溝に相当した大脳外側窩槽などであるが、この他脳底には左右の大脳脚の間や視神経交叉の周囲に、小脳と大脳半球の間には大大脳静脈の周囲に、また脳梁に沿ってその付近にもクモ膜下槽が存在している。

脊髄では軟膜腔はおおむね広いが、ことに下端では盲状に終わる円錐形のふくろをつくり馬尾を包んでいる。

腰椎穿刺に当たって針を刺し込むのはこの軟膜腔の中である。

 

 

◆ E. 中枢神経の脈管 ◆

 

Ⅰ 脊髄の血管

 

脊髄を養う血液は、椎骨動脈の下行枝および肋間動脈、腰動脈に由来する根動脈により、分節的に供給されている。

椎骨動脈が延髄の前外側面に沿って上行するとき4本の下行枝を出す。

このうち2本は、脊髄前面で1本の前脊髄動脈となり、残りの2本は、後面で2本の後脊髄動脈となる。

これらは根動脈と吻合して根動脈を上下に結んでいる。

根動脈は、上行頚動脈、深頚動脈、肋間動脈、腰動脈、仙骨動脈などの体節に関係する血管から出て、椎間孔を通ってから前根動脈と後根動脈に分かれ、胸髄、腰髄、仙髄などに血液を送る。

腰髄に分布する前根動脈の一本は、他の前根動脈より太く、下部胸髄から腰髄の血流に大きな影響をもつ。

この動脈は臨床的に脊髄の血管造影に際し、重要な役割を果たす。

一方で胸髄では前根動脈間の間が長く、したがって閉塞によって脊髄の血管障害を起こしやすい。

前脊髄動脈は、前根動脈の吻合枝で、前正中裂に沿う。

前脊髄動脈から脊髄の深部に多数の溝枝が出ており、脊髄の前2/3の領域を養う。

後脊髄動脈は脊髄の左右の後根起始部付近をジグザグに縦走し、この溝枝は脊髄のうしろ1/3を養う。

脊髄血管閉塞で最も有名なのが、前脊髄動脈症候群である。

この場合脊髄の前2/3が障害され、皮質脊髄路、脊髄視床路、前角などが侵されるが、後索は障害されない。

静脈は脊髄を出ると随所で脊柱管の内外にある静脈叢に流れ込み、これらからさらに椎骨静脈・肋間静脈・腰静脈などに注ぐ。

脊髄を出た静脈が吻合枝によって上下に連絡されている様子は、動脈におけると同じである。

 

 

Ⅱ 脳の動脈

 

脳は、内頚動脈(総頚動脈の枝)と椎骨動脈(鎖骨下動脈の枝)から血液を受ける。

 

⒈ 内頚動脈 Carotid artery

 

内頚動脈は視神経の後ろで脳硬膜を貫いて脳底に現れ、大脳の前下部に分布する。

頭蓋腔を通る際に、海綿静脈洞でS状に前進し、画像診断学の立場から頚動脈サイフォンと呼ばれる。

この部位は、外傷や動脈瘤などによって海綿静脈洞とつながることがある(頚動脈-海綿静脈洞廔)ので、脳外科領域で重要である。

内頚動脈の第1枝は眼動脈で、この動脈を出した後、脳硬膜を貫き、後交通動脈、前脈絡叢動脈を分枝する。

内頚動脈は視交叉の外側で前大脳動脈と中大脳動脈に分枝する。

前脈絡叢動脈は、視索、外側膝状体、内包、視床などに血液を送る穿通枝の役割を果たし、重要である。

一方、後交通動脈はウイリス動脈輪を形成する。

また後交通動脈分枝部は動脈瘤の好発部位で、動脈神経を圧迫することが多い。

 

⒉ 椎骨動脈 Vertebral artery

 

鎖骨下動脈より分枝し、第6以上の頚椎の横突起をすべて貫いて上行し、大後頭孔から頭蓋腔に入り、左右合して脳底動脈となり橋下面の正中線を前走する。

椎骨動脈と脳底動脈の枝からなる分枝系列を椎骨脳底動脈系と呼び、この系の血管により延髄、橋、小脳、中脳が養われる。

椎骨動脈は、後脊髄動脈を分枝した後頭蓋内で後下小脳動脈を分枝する。

その後前脊髄動脈となる枝を分枝したのち、左右あわさって脳底動脈となる。

前下小脳動脈は脳底動脈となった直後に出る比較的発達した動脈である。

上小脳動脈は脳底動脈が終枝である後大脳動脈を出す直前に出る枝である。

これら3対の小脳動脈は、脳腫瘍などの際、血管造影でその走行が変わるので、臨床的に極めて重要である。

 

これらの血管の閉塞は、それぞれの血管が支配している領域の神経症状を引き起こす。

例えば後下小脳動脈の閉塞はワレンベルグ症候群(延髄外側症候群)として知られ、⑴同側の顔面の温痛覚障害、⑵同側の縮瞳、⑶小脳失調、⑷反対側の体幹、上下肢の温痛覚消失を認める。

 

⒊ 大脳動脈輪 Circulus arteriosus

 

ウイリス動脈輪ともよばれる。

左右の前大脳動脈の間の前交通動脈、中大脳動脈と後大脳動脈との間の対性の後交通動脈および前、中、後大脳動脈の近位の部分で形成される。

大脳動脈輪は、内頚動脈と椎骨動脈の吻合をなすものである。

 

⒋ 皮質枝 Rami corticales

 

大脳半球の皮質枝は、前大脳動脈、中大脳動脈、後大脳動脈からなる。

 

①前大脳動脈 Anterior cerebral artery

内頚動脈の枝で、大脳縦列に入って前頭葉と頭頂葉の内側面に分布する。

この動脈は眼窩枝、前頭極動脈、帯状動脈、脳梁周囲動脈などに分枝する。

 

②中大脳動脈 Middle cerebral artery

内頚動脈の枝で、外側溝に入り主として大脳半球の外側面と島とに血液を送る。

この動脈の分枝は、その分布領域により眼窩枝、前頭枝、頭頂枝、側頭枝などに分けられる。

 

③後大脳動脈 Posterior cerebral artery

脳底動脈の枝で、大脳脚の外側を回って大脳横裂の中に進入し、主として後頭葉と側頭葉の一部に分布する。

その枝は側頭枝、後頭枝、頭頂後頭枝に分けられる。

後頭枝の枝は、頭頂後頭動脈と鳥距動脈である。

鳥距動脈は鳥距溝に沿って視覚領の一帯に分布し、血管障害を生じやすく、対側の同名半盲を呈する。

 

⒌ 中心枝 Central branches

 

脳表面に沿って走行する皮質枝に対して、大脳の主要な動脈や交通動脈の近位部から起こり、間脳、大脳核、内包などに分布する動脈をまとめて中心枝または脳底枝とよぶ。

 

①前内側動脈群

前大脳動脈と前交通動脈から分枝して、視床下部前野、視索前野、視索上部などに分布する。

 

②後内側動脈群

後交通動脈および後大脳動脈の起始部から分枝して下垂体、漏斗、視床下部の灰白隆起、視床、中脳被蓋、大脳脚などに分布する。

とくに視床の前部、内側部に達する視床穿通動脈が重要である。

 

③後外側動脈群(視床膝状体動脈)

後大脳動脈と後交通動脈の吻合部より外側の後大脳動脈から分枝して外側膝状体と視床後部に分布する。

 

④前外側動脈群(線条体動脈)

中大脳動脈の近位部から分枝する外側線条体動脈と前大脳動脈起始部から出る内側線条体動脈があり、線条体と内包の領域に分布する。

これらの動脈は、前大脳動脈や中大脳動脈とはじめ逆行する走行をとったのち、前穿通質を貫く。

このため高血圧性脳内血腫の原因となることが多く、脳卒中動脈とも呼ばれ極めて重要である。

 

⑤脈絡叢動脈

後交通動脈分枝の内頚動脈から出る前脈絡叢動脈と後大脳動脈起始部から分枝する後脈絡叢動脈がある。

 

 

Ⅲ 脳の静脈

 

動脈は脳実質内で毛細血管に分かれたのち、再び集まって静脈となり、至る所から脳の表面に出てくるが、これらの大脳静脈は動脈に伴行することなく独自の経過をとっている。

すなわち一定の太さに達した静脈は随所で最寄りの硬膜静脈洞に注ぐ。

そのうちで特に重要なものは、大脳内部から血液を集め、脳梁と中脳蓋との間から一直線に後方に走って直静脈洞に注ぐ不対性の大大脳静脈である。

硬膜静脈洞の血液は、一部は導出静脈によって頭部外表の静脈に注ぎ、他の一部は大後頭孔を通って脊柱管の内外にある静脈叢に連絡しているが、主部はS状静脈洞から頚静脈孔を通って内頚静脈に送られる。

 

 

Ⅳ 脳のリンパ系

 

脊髄および脳の硬膜下腔とクモ膜下腔とはともに広義のリンパ腔であるから、中枢神経系はすっかりリンパの中に浸っている形である。

また中心管や脳室系の中にも無色透明な液体が満たされているが、これも一種のリンパに他ならない。

この両種のリンパすなわち中枢神経の周囲にあるものと、その内腔の中にあるものとは、第4脳室の背部にある3個の孔によって互いに交通しているから、その性状もほぼ等しいはずである。

それでこの両者を総称して脳脊髄液という。

臨床的に腰椎穿刺または後頭下穿刺によって採取するのは、主として脳のクモ膜下腔内にある脳脊髄液であって、もちろん脳室や中心管の中のものではない。

以上のほかには、脊髄や脳の内部にも外表にも独立のリンパ管というものは存在しない。

実質内のリンパは血管の壁を取り巻くリンパ隙を流れて、クモ膜下腔に注ぐのであって、このリンパ隙をウィルヒョウ・ロバンの腔隙という。

 

 

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