一般的に使われている五十肩は
肩関節周囲炎や凍結肩(Frozen shoulder)
または、癒着性関節包炎(Adhesive capsulitis)ともいいます。
○症状
特徴的な症状は、肩の痛みと
痛みで腕の動きが制限されるということです。
腕の動きの中でも、とくに痛む動きがあり
腕の外旋、外転、屈曲は強く痛みが現れます。
具体的には、服の着脱で腕を袖に通したり
腕を袖から抜く動作や
ドライヤーをかける動作などです。
以下のように腕を動かすのが困難となります。


90度まで上げたら手のひらを上に向け耳の方へ近づける。

腕を前方に持ち上げる。
また、痛みは肩から腕の外側、肘へと広がり
夜間痛で眠れないこともあります。
○肩関節の周囲の痛みは多種
肩関節周囲炎(五十肩)におよぶ過程は
凍結期・拘縮期・融解期があり
段階的に症状も変わってきます。
凍結期は、急性の状態で痛みが強く、肩の可動域も制限ががかります。
この時の痛みは、腱板の腱炎や肩峰下滑液包炎も
併発している可能性があります。
拘縮期は、炎症が落ち着いてきて痛みもやわらぎます。
しかし、肩関節の可動域制限は慢性化していきます。
融解期は、痛みはなくなりますが
肩関節の硬さは完全には回復しません。
要因ははっきりしていませんが、この他にも
肩甲骨と上腕骨の動きに関与する筋肉や腱、滑液包などが
炎症を起こしたり、石灰化したり、腫脹したりすることもあり
様々な状態が肩関節周囲に痛みを起こし、凍結肩になっていくと考えられます。
また、糖尿病はとくに肩関節周囲炎の発症率が高く
その他に代謝や内分泌にかかわる
甲状腺の疾患、血中脂質濃度が高いなどもあげられます。
○肩関節周囲炎の施術
肩関節周囲炎の施術では、肩関節の痛みを取り除くことと
可動域の確保を目的に施術していきます。
痛みが生じているところに負荷がかからないよう
ゆっくりストレッチや運動を行い
だんだんと可動域を広げていきます。
肩の動きには「肩甲上腕リズム」というのがあり
これがうまくできるよう、筋肉を施術します。
改善に向けて、日常生活や食事なども、ご提案していきます。
たとえば、デスクワークで姿勢に問題があるかもしれませんし
身体に力が入って、肩回りが緊張しているかもしれません。
痛みが激しい時は、このようなことはどうでもよいですが
進行状態でやるべきことは違います。
肩関節は拘縮してしまいますと
改善は難しいのでお気を付けください。